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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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2022年の確定申告

2022年の確定申告

切子工房 箴光職人の気まぐれ日記>2022年の確定申告

2022年1月7日(金)

日記を書くのはとても久しぶりです。
9か月近く書いてないかと思います。

今これを書いているのは本当に「職人の気まぐれ日記」という感じです。
2021年も終わり、2022年になり、今年も確定申告の時期となりました。


去年の第1期は7月の期中からスタートして、取引量は年間の半分ほどだし、本格始動もしていないので、なんとか決算書を作れましたが、今年はそうはいかないとか思ってました。

ただ、1年前に確定申告のマニュアルを自分で作っておいたので、かな~り楽に作業は出来るだろうと思ってました。


実際に取り組んでみると「確定申告」部分についてのマニュアルは存在していましたが、財務諸表をどう作成していくか?みたいなマニュアルを作るのを忘れており、今年は財務諸表をどうやって作っていくかというマニュアルも作りながら決算を行っていきました。

第2期の取引期間は2倍、2021年1月から事業を本格始動していますので、取引量も多く、実質の切子工房箴光第1期にあたる内容だったと思います。

紙の量もかなり分厚くなり、A4の紙が500枚くらいになったかと思います。
分厚いキングジムファイルがその1期の財務諸表で埋まってしまいます。

東証一部上場会社の経理で働いていた時はもっとはるかに多い紙を消費していましたが、個人1人で500枚の紙を年間使うだけの取引をしていたのがビックリです。



一般的な「勘定奉行」などの会計ソフトは全て商業簿記です。
つまりは「仕入れて売る」という商社用のソフトです。

売上原価は期首在庫+当期仕入-期末在庫にて原価を算定できる非常に簡単な処理です。
商業簿記は簡単な構造でシステム化できるので、勘定奉行みたいな一般的なソフトを作成することができ、それで事足ります。

一方、製造業は各々の会社の製造のやり方が違うので、その会社にあったかなりカスタマイズされた経理システムが必要になってきます。

例えば、製品を製造する過程でスクラップが発生して、それを売って製造原価と相殺している会社があるとか、製品を製造する過程の半製品の状態でもいくつか出荷しているだとか、100個製品を作ると必ず1個は仕損が出てしまうので、その仕損品を製造間接費として再配賦するのか再配布しないで仕訳で費用処理するのかなど、本当に多岐に渡ります。

これらの内容は当然勘定奉行では対応できませんので、製造業をやっている人は独自の原価計算システムを持たないといけないわけです。

カスタマイズをかなりしないといけないので、一般的な大きな会社ではデータベース開発会社などに1000万円以上のお金を払ってシステムを構築してもらいます。
代金はほとんどシステムを構築する人の人件費になります。

私も東証一部上場会社の経理の時に若いながら経理がわかるということで、経理システム構築のプロジェクトに動員され、データベース開発会社3社のプレゼンを聞き、各社に社内の原価計算の実情を説明し、擦り合わせを何回も行いながら経理システム構築をしてきました。

これらの意味を理解していない製造業の人は白色申告書として税務署に申告するしかありません。

青色申告による確定申告では65万円を総所得金額からマイナスできるようになりますので、税率20%として、65万円×20%=13万円得をする計算です。


世の中では知識を持っていない人から「代行」という形で代わりにやってあげるというお金を奪うシステムがかなり多く用意されています。

少し勉強すれば「そんな簡単なことなぜお金を払う必要がある」ということを高めの金額で行うサービス業がかなりあります。

ツイッターのアカウント開設を5000円くらいでやる企業がありますが、やり方をわかっている人から見たらばかばかしいですよね。
それがビジネスの世界でも知識を持たない人からお金を回収するために色んな場所で起きています。


経営者が勉強をしておくだけで、残っていくお金や払わなくていいお金がとてもたくさんあり、経営者がしっかり勉強してから起業しているかどうかで、出ていくお金と残るお金が雲泥の差になって、経営の成功の確度を上げるのではないでしょうか。

勉強をしなければずっと続いていくランニングコストになる固定費も存在し、経営としてはかなり致命的です。


私も原価計算システムは自分の工房の現状に沿うようにエクセルで自作しました。

1年前くらいに学生時代に記録していおいた工業簿記と原価計算の分厚いA4のノート(辞書3冊分くらいの厚さ)を見返しながら作ったものですが、今見返すとシステムが複雑すぎて意味がわかりません。
なんかすごいもの作ったんだなぁと1年前の自分にびっくりしています。

原価計算システムにより、製造原価報告書が作成できます。
日商簿記2級程度の高校生でも知っている話ですが、製造原価報告書の最後に提示される金額「当期製品製造原価」は商業簿記の「当期仕入高」にあたる部分になります。


その他の経理部分は商業簿記と同じなので、そのまま仕訳をベースに総勘定元帳を作り、決算整理後合計残高試算表を作り、貸借が一致していることを確認してからそれを元にB/S、P/Lを作成しますが、そのP/Lを作成する際に商業簿記の「売上原価」部分が「製造原価」という名称に代わり、原価計算システム側で算出した「当期製品製造原価」の金額を「当期仕入高」にあたる部分にかけば終わりです。




日商簿記2級レベルの非常に初歩的な話をしていますが、簿記を勉強している人しかこの文章は読めておらず、ここまで文章を読めた人はほとんどいないかと思います。

文章量もかなりあるので、普段から本や新聞などの文字を読むことに慣れている人であるという要件も入ってくるので、ここまでちゃんと理解しながら全部読んでいる人は相当優秀な人かと思います。


それでは!

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