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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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切子の色kiriko color

職人が解説!切子の色

切子工房 箴光>職人が解説!切子の色

江戸切子の色の解説
・江戸切子の人気の色(おすすめの色)
・日本の伝統的な色
・切子の元々の色
・色による値段の違い
など、切子職人の私がプログラミングしてホームページを作成しているので、直接解説していきます。

切子の色に関しての内容だけで
これだけの圧倒的な情報を提供している工房は日本でもここだけかと思います。

職人自身が技術的見地や過去の体験も含めて自分の言葉で紹介しているので、記事の内容に圧倒的なオリジナリティと知的好奇心的な面白さがあるかと思います。

切子の教科書のようなサイトの構築を社会的責任として目指しておりますので、ぜひ熟読していってください。

色での目利き方法などにも触れて写真を交えながら、詳しく解説していきます。

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切子、独立切子士、斉藤光
切子工房 箴光(しんこう)を代表します独立切子士の斉藤光(さいとうこう)と申します。

江戸切子の工房を辞めて独立する選択をし、独立して切子だけで生活できている日本国内でもかなり稀な人間です。

営業担当や外注して記事を書くライターではなく、このホームページ自体を切子職人の私がプログラミングして構築しております。
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このページを読むことで切子の色の種類の解説だけでなく「
色の違いによる購入基準、目安」が付くようになるかと思います。

楽しみにしていて下さい。


以下はこのページ内の項目かつ、ページ内リンクです。
クリックすれば、そこまで飛びます。
江戸切子の人気の色

日本の伝統的な色

切子の元々の色

濃い色は職人の経験でカット

酸磨きによる注意してほしい色

二色被せという特殊な色被せガラス

切子の色の付け方


江戸切子の人気の色は「瑠璃、赤」

色の販売数的に言うと以下の通りです。
・購入者の大半
瑠璃色(濃い青)、赤色(真っ赤)

・購入者の少数
金赤、緑、青紫、青、黒、黄色、白
右に行くに連れてマイナーな色です。

一般的に切子には上のような色が存在します。

他にも作ろうと思えばいくらでもできますが、とりあえず上の表が現在の江戸切子で存在する色だと一旦言い切ってしまいましょう。


切子を買ったことのない人が初めて買うパターンが多く、入口はやはり伝統的な色である瑠璃、赤が多く売れています。
江戸切子、色の種類と解説
左から瑠璃(るり)、赤、緑、青紫、青です。


贈り物やプレゼントをする場合は基本の瑠璃か赤を選択するのが無難かもしれません。


こちらはタンブラーの素材の画像ですが、一番右の素材は金赤(きんあか)と呼ばれているものです。
緑、青紫、青、金赤、切子
金赤は、銅赤に比べて色がかなり薄い赤という感じです。

色の濃さの差異によっては薄いピンクに見えたりもします。

金赤と区別するために、上のワイングラスのような通常の真っ赤な赤色を「銅赤(どうあか)」と呼んだりもします。

ガラス製作時に銅を混ぜると真っ赤に、金を混ぜると薄い赤になることからの名称です。


ちなみに知り合いの吹きガラス職人によると切子では一般的な色である、
銅赤の発色が難しく、きれいに色を作れる職人は熟練の職人だそうです。

確かに素材の値段は銅赤だけ高いですね。


こちらは社会勉強のために取り組んだクラウドファンディング用に1点だけ製作した黄色の素材を用いた「ムーンライト」という作品です。
切子、ムーンライト、クラウドファンディング
10年間カットしてますが、黄色の素材をカットしたのはこれが初めてでした。
それくらいマイナーになるかと思います。


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・色による値段の違いに関連して
基本的には色が透けない黒がカットが難しいので、黒だけ技術料と称して値段が高く設定されている場合が多いです。(同じデザインで1.5倍~2倍の値段)

ただし、 黒の中にも全く透けない濃い黒と、うっすら透けている薄い黒があります。
薄い黒は透けているので、カット難易度は劇的に上がることは無いのに値段をかなりあげていたらそれは工数的に値段設定がおかしいかもしれません。

黒の江戸切子で少し手の込んだものならブランド料も相まって6~8万円くらいのものを見たことがある人も多いかと思います。

別の色ならば、同じ値段かそれ以下の値段で、かなり手の込んだカットの切子が購入できます。

例えば当工房のこういうデザイン性が高く、細かいデザインは、黒の切子では作ることは不可能な上に、値段も黒の切子よりも安いです。
切子、大団円タンブラー、上から
【150作記念作品】大団円タンブラー

最近のトレンドで、このような黒以外の色でも、手の込んだ江戸切子をとにかく上品にブランド展開して8万円以上くらいで販売する工房がかなり増えました。

黒以外の色に関しては工房側が素材の値段の差異を負担して販売価格を均一にしている場合が多いです。

同じデザインの型なのに値段が違うと管理する側も大変です。
色の違いにによる素材のコスト増を工房側で負担してでも同じ値段に揃えようという方針の工房が多いかと思います。
私自身もそうして販売しています。

最後の方で紹介する「二色被せ」という1層目にも色を付ける状態の切子が販売されていますが、素材の値段は大きくは変わりません。
むしろ銅赤単色の方が素材の値段は高いです。


これらの内容を参考程度に覚えておくと購入基準、目安の1つになるかと思います。
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話を戻しまして、実際にちょっとマイナーになる緑と金赤の実際にカットした写真があります。
今後の参考になると思うのでご覧ください。
緑、金赤、ペアグラス
過去にひし紋タンブラーという型の緑と金赤をペアで販売した時の写真です。
透けている色は涼しげがあるのが良いポイントかと思います。


以下は左から順に青、金赤、銅赤の「底消し玉矢来タンブラー」という作品を並べた時の写真です。
左と真ん中は色が薄くて涼しげがある一方で、奥側のカットと手前のカットが重なってデザインが少し見づらいです。
一方、右の赤は色が濃く、手前側のカットが強調されています。
底消し玉矢来タンブラー、切子、青、金赤、銅赤
底消し玉矢来タンブラー


同じ型で瑠璃と赤の写真です。
色が濃く、透けにくいので手前側のカットを強く魅せるインパクトがあるのが写真からご理解頂けると思います。
切子、底消し玉矢来タンブラー、瑠璃、赤、ペア
先ほどの写真の青と瑠璃の色の濃さの違いもご確認頂けると思います。


色の好みによる選択と、透けているかいないかでカットを強く魅せるか涼しげがあるかの選択の2つあたりを考慮して色を選択して頂ければと思います。



こちらは黒と白です。
江戸切子、黒、白
白は存在自体は写真のようにありますが、マイナー過ぎて今は生産自体ほとんどされていないかと思います。


過去の経験則


修業時代の江戸切子の工房では瑠璃と赤の製品以外はたまに作るくらいでした。

年間を通してほとんど瑠璃と赤を製作していました。

当工房でも基本的には伝統的な瑠璃色(るりいろ)と赤色にて製作しております。

1層目に透明なガラス、2層目に色のついたガラスになっております。
江戸切子製品一覧


瑠璃、赤以外では、緑や青色も涼しげがあって良いなど実際にお客さんから聞いた事があります。

また金赤(薄い赤)も女性に割と人気でした。


一方、切子をコレクションする趣味がある上級者の方が黄色、黒、白など一般的でない色を購入しているのかと考察します。


ちなみに瑠璃や赤は毎日のように売れていましたが、黄色の江戸切子は年単位で売れておらず、ずっと棚の上に飾ってありました。

色による人気というのはそれくらい顕著に出ていました。


マイナーな色は売れにくい結果、ガラス職人さんも常に生産しているわけではありません。

切子職人がマイナーな色の素材自体を仕入れることができない状態になることが結構あり、消費者も注文してもすぐには購入できなくなる現象が結構あります。


当工房では以下のように瑠璃と銅赤の製品を基本軸に製作しておりますが、なぜ瑠璃と銅赤なのかというところを次の項目で解説します。
江戸切子全製品一覧
製品一覧


日本の伝統的な色は「瑠璃、赤、白、黒」の4種類

切子の色は瑠璃色(濃い目の青)、赤色が伝統的な色です。
江戸切子の色
瑠璃色は紫を帯びた濃い青のことを言います。


語尾に「い」がつく


赤色も日本の最古の基本色の赤、青、白、黒のうちの1つです。

その証拠に「い」をつけることで色味を表す言葉として成立します。

すなわち、赤い、青い、白い、黒い。

他の色は「黄色い、茶色い」のように全て「色」という言葉などを挟まないと日本語として成立しません。


そのほかに赤鬼、青鬼、紅白など日本の文化に根付いた色として伺い知れます。
日本の色、赤鬼、青鬼
江戸切子を見たことがある人は多くは瑠璃色(青)と赤色だったと思います。

それはまさに伝統的な色を使って、工芸品として伝統を大切にしているからです。
色のグラデーション
白や黒の切子もたまに見かけるのは日本の色だからという意味が含まれています。


赤鬼、青鬼のように赤と青はペアになっていることが日本の歴史からもあり、瑠璃(濃い青)と赤の切子をペアで贈り物にする場合も非常に多いです。

当工房でもペア販売を承っておりますので、ご検討下さい。


歴史的な建築物にも瑠璃


日本でも中尊寺金色堂など1000年ほど前から日本でも各地の建築物に使用されたりする日本の色です。
中尊寺、瑠璃色


1919年(大正8年)に建築された熱海の起雲閣(きうんかく)という伝統的な日本家屋にも瑠璃は使用されています。
日本家屋、瑠璃色


瑠璃の起源は古代エジプト


瑠璃色の起源は古代エジプトです。

現在の21世紀よりも前の紀元前の話になってきます。

宝石のラピスラズリを粉砕し、顔料ウルトラマリンとして古くから使用されてきました。

黄金と同等の価値を有する宝石として王族しか身に着けることができないものでした。


切子は二層から構成される


色被せ(いろきせ)ガラスは切子には欠かせない一層目と二層目の二色から構成されている特殊なガラスです。
江戸切子、飲み口直径
上から側面を見ても透明なガラスと色のついたガラスの二層構造になっているとはわかりません。


おおむね一層目は透明なガラスになっております。

しかし、のちほど紹介する二色被せ(にしょくきせ)というものでは、一層目を琥珀色にするものも存在します。


ガラスの構造については「切子とは」の基本的なページに記載されております。

興味のある方は一読下さい。


切子の色は元々は透明だった

江戸時代から続く江戸切子は元々は現在の色が付いたタイプではなく、透明なガラスにカットを入れるものでした。


江戸時代のガラス販売を行っていた会社の引札(カタログ)をご覧ください。

江戸切子の絵の部分には着色されておらず、透明なものだったというのが公的な資料として見ることができます。
江戸切子の歴史
江戸時代の硝子の会社の引札(カタログ)です。

画像の真ん中よりちょっとしたあたりの編み目(矢来)がついている製品の部分が江戸切子のラインナップになっています。


博物館に現存する江戸切子があったりしますが、そのどれもが透明なものにカットを入れてあります。


ガラスを二層にする技術により切子に色が付いたのは大正の頃からで、その時に日本の伝統的な色である瑠璃色(濃い目の青)と赤色を付けたりするようになりました。


色が付いている方が見栄えが良いので、今では透明なガラスをカットしている工房はあまり見られないかと思います。


私が修業時代に働いていた工房では、あえて透明のグラスにカットを入れるという復刻型の製品を製造しておりましたが、少数派でしょう。


濃い色の切子は職人の経験と勘でカットする

通常は光に透かしてカットするのですが、黒色の場合は光が透けないので「職人の勘」で削ることになります。
江戸切子の色、黒
黒の切子はライトに透かしても全く透けません。


「黒はカットが難しいので高い」という理論はみなさんわかると思いますが、黒っていうだけで値段がかなり上がる(体感1.5倍~2倍上がる)ので、金額とデザインの品質が釣り合ってない作品も多くあります。


一方、瑠璃の方は写真の通り、光が透けています。
江戸切子の色、瑠璃
瑠璃や赤でも色が濃いものは光が透けにくく、カットの難易度が跳ね上がります。


私の場合は手首の傾き(ひねり具合)を記憶してそのひねり具合を忘れないうちに削るというやり方で見えない部分は削っています。

同じようなカットを何万回と行っているので、手の動かし方に違和感が無いかで綺麗に削れているか判断したりもします。


右下が赤のぐいのみの素材ですが、色が濃くあまり透けて見えないのがわかるかと思います。
江戸切子の色2
一方、緑色、青色(薄いブルー)、右上の青紫に関してはライトを当てなくても透けています。


薄い色の切子より、色が濃い切子の方がカットが格段に難しくなるため、価値が高くなる傾向があります。

そのことを知っていると濃い色の作品を作る傾向の職人さんは、難しいカットに挑戦しているんだなぁと感じられて作品を見る時に面白いかと思います。


例えば、これは実際に銅赤を削っている時に撮った写真です。
矢印の部分を削りたいのですが、光で透けるとは言え、色が濃いとこんな感じです。
切子、色が濃い
目印の線となる線が一切見えないので勘で削ります。


見えるまでライトの光の位置を調整してカットすることもできますが、それをやっていると工数がかかりすぎて間違いなく採算が取れません。

師匠の教えで「見えないものは見えないから勘で削れ」を踏襲しています。

この勘で削れるかどうかでプロの職人の中のレベルの差になっている気がします。

作業スピードが早いということは工数を抑えて値段も安くすることができるので、職人としては非常に重要なことです。

こういうことを知っておくと作品を見る時に、より興味深く見ることが出来るようになるのではないでしょうか。


酸磨きによる薄い色

切子には様々な色がありますが、以下の色があることも知っておいてほしいなと思います。
・色にムラがある
・色がとにかく薄い
この2つのどちらかに該当、あるいは両方に該当する場合があるかと思います。


「酸磨き」というガラスの表面を硫酸等の強力な酸で表面を溶かしながら全体を磨くので効率的ですが、強度の面で品質が低下する製法によるものかと思います。

クリスタルガラスという素材に用いられる手法で、採算を取るため、作業時間を短くするために進化してきた手法です。
ちなみにクリスタルガラスは手磨きでも磨くこともできます。


基準となる瑠璃色(濃い青)と赤色は当工房で作っている下のような写真の物です。
江戸切子本来の色
元のガラスの素材と同じ濃さを保ったままカット面が綺麗に磨かれています。

これが伝統的な「手磨き」という手法で作られた切子です。


酸磨きという手法をすることで採算を取りながら文化が絶えずに続けられてきた側面もあると思いますし、色んな手法の製品があった方が多様性があってユーザーの選択肢としては良いことだと思います。


大切なのは
こういう概念があるということを私達が知って、その上でベストな選択をしてほしいと私は思っています。


酸磨きをした場合の色の例


「瑠璃色」として販売しているのにこれくらい薄かったら酸磨きです。
江戸切子の粗悪品の色


赤色はここまで赤が薄くなります。
江戸切子の粗悪品の色


もう一例持ってきました。
上が赤で下が瑠璃色です。
江戸切子の粗悪品の色
先ほど見せた瑠璃色や赤色に比べるとだいぶ薄い色になってるのが確認できるかと思います。


しかし、「瑠璃を酸磨きすると青」、「銅赤を酸磨きすると金赤」のように見えてしまう場合もあります。

困ったことに一般的な人から見た場合、区別はほとんど付きません。


なので、「この製品は手磨きですか、酸磨きですか?」と店員さんや製造者に聞いてみるのが一番良いかもしれません。


磨きの手法は切子生産時の大きな要素であるので、その質問に答えられない店員や製造者はまずいないのではないでしょうか。

当工房のように手磨きを選択してガラスの強度を保とうと意識している工房は「手磨きをしております」とアピールしているかと思います。


手磨きのメリット


手磨きの場合
・ひっかき傷がつきにくい
・切子特有のカットのエッジが残る
・見た目の印象もハッキリ残る
・明暗のグラデーションが出る
・使用していて色が落ちる可能性が無い
とユーザーにとって良いことだらけです。


一生に一度かわかりませんが、そういう良い値段の物を購入することになると思います。

長く使えて、品質の高い手磨きの製品を検討してほしいと思います。

日本では酸磨きをしている工房の方が多い印象です。

手間がかかる伝統的な手磨きをする工房や職人は減少傾向で少数になってきています。


江戸切子製品一覧
製品一覧

当工房の切子は手磨きです。
色の濃さをご確認頂ければと思います。

この色の濃さが伝統的な製法で作られた切子本来の色です。


二色被せという特殊な色被せガラスを使った切子

最近では、2層目の色被せ部分だけでなく、1層目の透明なガラスの部分の色を変えてしまうといった色被せガラスもあります。

通称、二色被せ(にしょくきせ)というものです。

よく見るのは一層目は琥珀色(アンバー)の江戸切子です。

その他にも私はガラス職人さんの方から一層目をピンクやブルーにもできるということを言われています。


最初の方にもいったとおり、素材自体の値段は1層目がクリアなものとほとんど変わりませんし、銅赤の単色の方が素材の値段としては高いです。

二色被せの作品の値段をかなり上げている工房や作家の人もいますが、良く言えば各工房の生存戦略、悪くいえば無知な状態の消費者に対する不誠実にあたります。

1層目が透明で無いと飲料の色を殺すことになるので、私はむしろ1層目が透明な切子より価値は劣ると考えています。
美術鑑賞用としてオブジェとして置いておくものに使用する場合はいいかもしれませんね。

例えば私はテキーラマエストロというテキーラソムリエの資格ももっていますが、テキーラでは樽熟成の期間によってブランコ、レポサド、アニェホという区分に分類されます。

そういうことを知っていると樽熟成期間によるお酒の色の違いをやっぱり楽しみたいと思います。

またオーク樽やシェリー樽といった樽の種類でも色味が変わるので、1層目はやっぱり透明なものがベストだと私は考えています。


二色被せのデメリット


一層目を別の色に変えてしまうことは切子最大の特長である色の濃淡、メリハリが無くなってしまうと考えています。

色のメリハリがあるグラスであることが日本の独自性のあるカットグラスでもあります。

日本の切子の良さを最大限に出すなら1層目はクリアのものを選ぶべきだと私は考察しています。

またカット面がクリアの物を選ぶことが伝統的な切子を選択しているということにもなります。


また1層目が琥珀色(アンバー)の江戸切子ですが、琥珀色というとウイスキーを飲む人なら気になってくるかと思います。

なぜなら、ウイスキーは蒸留した原酒(スピリッツ)をオーク樽などで数年寝かせることで琥珀色になるからです。

寝かせる樽によって色味は変わりますが、一般的には下の写真のような色になります。
イチローズモルト
樽でスピリッツを寝かせることで生まれるこの琥珀色を見ながら飲むのがウイスキーの楽しみの1つです。


イチローズモルト琥珀色
1層目が琥珀色の江戸切子はウイスキーを入れた際にも完全にウイスキーの色を殺してしまうため、私はベストな選択とは考えません。


色がお酒をおいしくする


オーセンティックなバーでウイスキーをダブル(2オンス:60ml)のロックで飲んでいる時に、ひと口飲んでグラスのお酒を見る。


人の味覚は五感の状態、精神状態で変わります。
・お酒の色を見る
・香りを嗅ぐ
・ジャズ、好きな音楽を聞く
・切子のカット面の手触りを楽しむ
そういう五感の全ての環境が整っている時が一番おいしく感じるものです。


・お酒の色が見えない
・香水のきつい人が近くに居る
・周りがなんか騒々しい
・切子のカット面がとろけていて触り心地が良くない
などの条件が整っていない時は、同じウイスキーなのに味は落ちてしまいます。



全てがなんとなく調和が保たれて「なんか気分が良いな」という時に飲むお酒が一番おいしいです。
切子使用時
これはテキーラマエストロというテキーラのソムリエの資格を私が取得した時に、授業の中で一番最初に教えられたことです。


世の中のバーテンダーさんもお酒のカクテルを作る技術を磨くのと同様に、お客様の五感を心地良くさせる空間作りを同じくらい考慮しています。


二色被せのものよりウイスキーの色を楽しめるクリアなものを購入の目安にすると良いかと思います。


切子の色の付け方

他にも現代の技術で様々な色のガラスも製造されています。
江戸切子の作り方
少し専門的な話になりますが、ガラスを着色するには主原料のソーダ灰(ガラスの元)に発色性のある金属酸化物を混ぜ、2000℃ほどで熔解させて着色します。


配合する物質


以下のようなものを混ぜます。
赤色:銅、金、セレニウム
青色:コバルト、銅
黒色:コバルト、マンガン、鉄
緑色:銅、クロム、鉄
黄色:鉄、セリウム、チタン、銀
桃色:マンガン、セレニウム、金
紫色:マンガン、ニッケル

江戸切子の着色


この金属酸化物の配合割合は企業秘密であり、各ガラス工房によって配合量は違います。

発色の良し悪し、加工のしやすさなど顕著に変わります。


有名なとある吹きガラス専門の工房にて打合せに行った際に現場を視察しましたが、そこでは発色の粉ではなく、色付きのガラスの棒を砕いてそれを溶かして使用していました。

話を聞くと「かなり大量に生産しているところでは色付きのガラスの棒を仕入ていると値段が高くなるから、自社で(粉で)発色させて値段を抑えているんだよ」と教えて頂きました。


ガラスの素材については「ソーダガラスとクリスタルガラスについて」のページも参考にしてみて下さい。


最近は赤色の素材の値段が上がっておりますが、その値段を販売価格には反映しておりません。

瑠璃色も赤色も同じ値段にそろえて当工房では販売しております。



これで切子の色の解説は全て終了です!

切子の色について詳しく解説してきました。

日本で一番詳しく切子の色について解説しているページで長文だったと思います。
本当お疲れさまでした。

当工房はカット技術、磨きの品質、デザイン性、値段、作品数は日本でもトップクラスです。

お気に入りの作品が見つかると思いますので、ご検討頂けると幸いです。
江戸切子全製品一覧
製品一覧


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切子工房 箴光

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