・切子の全体的な導入 ・素材である色被せガラスの構造 |
切子(きりこ)切子(きりこ)とは、ガラスの表面にカットを入れて模様付けをすることです。 カットガラスの和名にあたります。 切子の読み方は「きりこ」です。 送り仮名をつけて「切り子」とは書きません。 江戸切子とはその切子の1つの種類、ブランドです。 「江戸切子と薩摩切子の違い」のページも関連していますので、のちほどご参照頂ければと思います。 特にブランドにこだわりが無ければ、大枠の「切子(きりこ)」や「切子グラス」で検索した方がバラエティ豊かで魅力的なデザイン、値段も安い物が見つかることも多いです。 |
「切子」と呼ぶ日本には色んなブランドの切子が存在しています。 「江戸切子」や「薩摩切子」という1つのブランド名で呼ぶよりも本来のカットグラスの意味である「切子」と呼ぶ場合が世の中では多いように感じます。 私は江戸切子の技術を継承した切子職人ですが、当工房の表記も全て「切子」です。 「切」という字はカットするという意味の他に「磨く」という意味もございます。 切磋琢磨、大切、共に磨くという意味で「切」が使われております。 |
切子ブランドは多数日本には色んなブランドの切子が存在しています。 多分、ここで紹介すると雑多になってしまうほどの切子のブランドがあると思います。 有名なところで大きく分けて江戸切子と薩摩切子が有名という感じです。 左が江戸切子、右が薩摩切子です。 他にも各地各工房で「〇〇切子」と名称をつけてブランド展開しています。 今後もそういう「〇〇切子」というのは増えていくと思います。 「じゃあどこの〇〇切子を購入すればいいの?」と迷ってしまうと思います。 そういうブランドは今後も際限なく登場し、キリが無いので、〇〇切子かどうかはさておき、「自分が気に入ったデザインを購入する」というのが一番みなさんにとって最も良いかと思います。 各地で色んな〇〇切子が展開されているので、江戸切子や薩摩切子以上にみなさんの好みに合致した素晴らしいデザインがみつかることも少なくないです。 当工房では名称にこだわらずに切子の中身にこだわろうという当工房なりの答えとして、切子にブランド名をつけず、「切子(カットグラス)」としてNOブランドで販売しております。 【傑作】メタモルフォーシスロックグラス 【200作品目特別記念作品】箴光式籠目天開ロックグラス きちんとした仕事をしていれば、「切子工房箴光」という名前がブランドになると思うので、「〇〇切子」と名付ける必要は無いと現状考えています。 製品発送後に、お客様にメッセージを頂くこともあります。 本当にお客様が喜んで、誰かに気持ちの高揚や興奮を伝えたい時にしかこういうメッセージは送ってもらえないのではないでしょうか。 こういう瞬間が増える良い仕事が出来ればと思っております。 |
他の「きりこ」「きりこ」という発音の物は金属の切削屑の切り粉、石川県輪島市のお祭りで使う燈篭(とうろう)のことをキリコなんて呼んだりもします。 切り粉と書かずに、切り子と書く場合もあります。 こっちの切削屑の方が名前を混同してしまいがちかもしれません。 石川県輪島市のキリコ。巨大なおみこしのようなものです。 昔に現地で撮ってきた写真です。 ガラスの切子はカットグラスの和名と認識して頂ければと思います。 |
切子は老若男女共通切子の最大の魅力はカットした透明な光沢部分と色がついている部分のグラデーションです。 製品一覧 見ているだけで気持ちの高揚感があります。 私は切子を金や銀、ダイヤモンド同じ位置づけで考えています。 人類の歴史は金や銀、ダイヤモンドなどの宝石などを求めて争いあった歴史があります。 歴史的にみて綺麗なものは人間の細胞レベルで欲してしまうものだと思います。 その綺麗さを感じる心は老若男女、時代を越えて人類共通です。 女性だけではなく、男性でさえそうです。 海外からの要人をお迎えした時に使用されるケースもあり、目の肥えた高齢の方への節目の贈り物としても最適です。 相手に何を送っていいかわからない場合でも間違いはないでしょう。 おじいちゃん、おばあちゃんが大切にペアで切子を使用していたという話もユーザーからとても多く聞きます。 玉七宝に氷山ロックグラス 世の中のあらゆるものを、時代を越えて見てきた目の肥えたご年配の方でさえも切子の美しさに魅了されています。 |
海外に通用する日本を越えて外国の方も同じ美しさを切子に感じています。 修業時代にドイツから見学に来た一団は非常に高評価で興味を持っていました。 ドイツと言えば、マイスター制度(職人制度)があり、国をあげて物作りの職人を育てようといういわば匠(たくみ)の国です。 そのドイツの方にも切子は受け入れられていたように見受けられました。 海外から旅行で来た外国人の方が購入されるケースも非常に多いです。 過去に中国人の富豪らしき方が30セットくらい爆買いしていったのが印象的でした。 インスタグラムで情報を発信していると海外の方からのコメントがついたりもしますので、人類共通かと思います。 youtubeにあげた作品の動画で少し再生回数が伸びたものはなぜかインドの方がすごい見にきているようでした。 インスタグラムにもインドの方らしきフォロワーの方もいます。 あとはイランのハマダーンという地域のガラス職人さんからもいいねがついたりしますし、私もその方が作る異国のガラス細工にいいねを押しています。 中国の方からもメールで連絡を頂いたりと、この仕事をしてから世界を感じるようになり、人生の面白さを感じています。 |
切子の使用例特別な1日や特別な場所を演出するときに使用するのも良いでしょう。 夜のベランダや部屋を暗くしてランタンを置いてカクテルを作って飲んだりするのも面白いかと思います。 おうち時間のお供にぜひご利用を検討してみて下さい。 私事ですが、おうち時間を楽しむためにキャンプの椅子とランタンを出してキャンプスタイルで家の中で自作の切子で飲むことが多いです。 テレビやパソコン、スマートフォンを消して、ボーっと切子の綺麗さを楽しみながら飲んでいます。 忙しい普段では思いもつかなかった大事なことを考えたり、新しい発想が出てきやすいです。 昔、和歌山県をぐるりと一周した時に料亭で切子に料理が盛り付けられて出てきました。 今思うと簡素な物でしたが、当時は切子の存在を知らなかったので、その器の美しさに驚きました。 店員の方に「これすごいですね!どういう物ですか?」と聞いてしまって感動して写真を撮るほどでした。 当時の写真。 おちょこのような形状ですが、小料理の器にしても粋でいいです。 アロマキャンドルの器など、使い方はユーザー次第で広がります。 ワイングラスにカットした果物を入れて食べたりするのもなかなかにおしゃれで楽しめます。 こうやって何気ない生活の中で変化を加えることは楽しいことだと思います。 チョコナッツ豆乳アイスフロートを家で作りました。 寸胴型のロックグラスは容量も多く、器に使用しやすいと言えます。 友達の家にいったり、お店でこういう形で出てきたらとても嬉しいかと思います。 BARでも当工房の最高級のロックグラスを購入して頂いているところもあり、実際に使用されています。 実際に切子を目の前で使っている時が一番みなさんに感動してもらえると思います。 |
なぜ美味しい?切子を使ってお酒を飲んだりするとなぜ美味しいのでしょうか? 人間は面白いもので、気分が良い時の飲食はすごく美味しく感じるものです。
逆に何か不快な要素を感じながらの飲食はまずく感じるものです。
切子は食事の際に「きれい!」と心が高揚することで、気分が良くなります。 その結果食事がおいしくなったり、飲み物がおいしく感じたりするものです。 世の中の一流ホテルや高級バーラウンジでは料理や飲み物の味に力を入れるのと同じくらい気分の良い雰囲気作りをしています。 雰囲気が味に影響することはテキーラマエストロ(テキーラソムリエ)という資格を趣味で取った時に座学で勉強しました。 例えば、使用せずとも、こういう感じで棚に置いてあるだけでもお店の雰囲気作りやブランドイメージアップにもつながり、空間の心地良さにつながるかと思います。 【100作記念作品】remember |
色被せの構造理論まずは図で説明します。 この次に実際の写真を用いてどういう状態になっているかを解説しますので、次の項目とセットでご覧ください。 1.鋳物の型がまずあります。 2.鋳物の型に色つきのガラス、今回は赤を薄く吹き付けます。 3.次に赤いガラスの内側に透明なガラスを吹き付けて二重構造にします。 4.最後に鋳物の型を取り外せば色被せガラスの完成です。 |
実物で解説上から覗いて口元から側面の厚みの部分を見てみてください。 一見、透明なガラスと瑠璃色の二層になっていることはわかりません。 つまり、厚みは一般的なガラスコップくらいの厚みになっており、二重だからといって分厚いわけではないのも江戸切子の特長です。 ※薩摩切子は逆でガラス2枚分くらい分厚くなっています。 本当に2層になっているのか信じられないかもしれないので、実際にカットしてみます。 カットした部分は表面の赤い色が取れて、下の透明な部分が出てきます。 カット前の物とカット後の色被せガラスを並べましたが、どちらも元々の素材は同じです。 この濃淡のグラデーションとカット面の光沢の綺麗さが切子の魅力です。 製品一覧 当工房は江戸切子の伝統的な手法による切子作りをしており、この色被せガラスにカットを施すことで製品になります。 |
読み方が違う?ちなみに被せ(きせ)って漢字は被せ(かぶせ)って読むんじゃないの?と思う人もいると思います。 その通りおかしい読み方です。 被せで「きせ」と読むのは完全に当て字で使用されています。 「色被せ(いろかぶせ)ガラス」と紹介しているところもありますが「色被せ(いろきせ)ガラス」が正式名称です。 江戸切子の職人によっては「色被せ(いろぎせ)ガラス」と濁点をつけて呼んだりする多少の差異はありますが、濁点をつけない方が一般的かと思います。 |
色被せは全て手作り機械で全て規格通りに大量生産されているわけではありません。 ガラス職人さんが1個1個手作りで作っている人の手で作られた魂のこもったものです。 仕入先にお伺いさせて頂き、特別に現場を見学させて頂きましたが人生をかけて、たった1つの作業を40年続けている職人さんを実際に見て恐縮に思いました。 色被せガラスの素材の値段も市販のグラスより当然高いです。 全てが同じ品質というわけではなく、色が濃い色被せガラスもあれば、若干薄めの出来上がりのものもございます。 人が作っているもので、それは個々の製品ごとの個性、味だと思って頂ければと思います。 全ての製品が同じではないという点も含めて工芸品を楽しむものだという風潮がありますのでご理解頂ければと思います。 私自身も20歳からの趣味で全国の工芸品集めをしております。 上は福島県のあかべこと宮城県の起き上がり小法師です。 全く同じ物は存在しない購入者だけのオリジナルのものになります。 |
濃さで調整する色被せが濃いものは二層目の透明な部分が出てくるまでカットを深堀りします。 色の濃さによって切子職人がカットの深さを調整しています。 技術的なことを言いますと、基本的にカットを施すときは色被せの濃さを見て、
その時の状況でどちらかに統一しています。 例えば下の白丸で囲んだ線の3点での合わせは外側から見た場合、カット同士がぴったりと隣接してきれいに見えます。 しかし、内側から同じ部分を見ると透明なクリアな部分が少し離れています。 ぴったりと線が一致していないですよね。 色被せが濃いと、この内側から見た時と外側から見た時の差異が大きくなります。 つまりこの場合、外側から見た時にきれいにみえるように調整しているということです。 それはどうしてそうなるかをかなり技術的なことですが説明します。 3点の交点をかなり拡大した下の写真をご覧ください。 透明なカットの周りに色被せの層が出来ていることがわかります。 イラストも書いたので参考にして下さい。 色被せが濃いとこのクリアなカットの周囲にできる色被せの層が太くなっていきます。 外側から見た時は、この色被せの層同士がくっつくところでカットを止めます。 なので、内側から見た時はこの層の厚さ分だけクリアな部分が離れているように見えます。 |
形状で調整を変える基本的には外側から見た時を優先して色被せの層同士がくっつくところでカットを止めます。 ガラスをカットするときは内側からのぞきながら削るので、内側から見ている以上に外側は大きく削れています。 そこらへんは職人の勘でカットを手前で止めて外側からきれいに見えるように調整しています。 また小鉢や大皿のようなものは外側から見るよりかは上からのぞきこんで内側からカットを見る場合が多いです。 その場合は内側から見た場合にきれいになるように、クリアな部分が隣接するように優先して削る場合が多いです。 こういう小鉢は側面から見るというよりは上から、内側から覗く機会の方が多いと思います。 ゆえに、内側から見た時の色被せの部分をきれいさを重視してカットします。 当然外側から見ると、色被せのカットの層同士が食い合ってるような状況になる場合もありますが、決してそれはカットのミスではありません。 きれいに見えるように職人が調整したものなので、覚えておいてください。 同じ製品でも色被せの濃さによって職人がカットの調整を行いますので、そこらへんも製品の個性です。 |
濃さの良し悪しは?製品を選ぶときに色被せが濃い物が良いのか、それとも薄い物を選んだ方が良いのかという質問を受けたことがあります。 明暗のグラデーションが出て切子の良さを感じられるので、濃いめの方を私はおすすめします。 しかし、濃い物の場合、先ほど図解で説明した通り、外側から見た時と内側から見た時のカットの長さが離れて行きます。 外側からも内側からもカットがぴったり一致していることを優先するなら少し薄い物でも良いと言えるでしょう。 一般的に色が濃いものはカットが難しくなるので、価値が高くなる傾向があります。 |
世界のグラスと比較世界的に見てもこの濃淡のあるグラスはなかなかに珍しい傾向があり、切子は日本が世界に誇るグラスとなっております。 (海外のカットグラスは色のついた1層でボヤっとした薄い色にカットを施したものが多いように見受けられます) ちなみに酸磨きという手法だと赤や瑠璃色が下の写真のようにかなり薄くなります。 この磨きの手法についても各ページで解説していきます。 |
唯一の職人の解説ここまで詳細に解説してきましたが、一般的な江戸切子職人はめんどくさがって基本的には誰もこういうことは説明してくれません。 切子の世界だけでなく、一般的に「職人」という名称のついている人はこういうことはいちいち説明しないのが基本です。 「目で見て技術を盗め」というような世界なので、こうやってわざわざ図解で解説する人は本当に日本に皆無かと思います。 弟子にも説明しないのに、営業担当者にもこういう技術的なことをわざわざ教えるでしょうか?まずそんなことないかと思います。 ここまで深く職人的なことを解説しているホームページは日本で当工房だけかと思います。 こういう説明ができるのは私自身が切子職人であり、このホームページも構築できる人間だからできることです。 このページのプログラミングの一部です。 こういうホームページのプログラミングを切子職人である私が自分自身で行っております。 技術を知っている人間が直接自分の言葉でみなさんにお伝えできる。 そういった私でしかきっとできないような内容がこのホームページに詰まっています。 切子をこれから使うユーザーにとって勉強になることは間違いないかと思います。 |
製作過程を解説ただ単に陳列棚に置いてある切子の製品を購入するより 「この製品はこういう考えとこういう製作過程を経て製造されました」 というストーリーがある方がお客様にとって楽しんで頂けるかと思っています。 当工房では、そこの部分もかなり重要視しております。 各作品ページには製作過程のストーリーを載せると共に、製作時の考えや心意気を記載しています。 各ページから熱意やこだわり、どこまで物事を深く考えているか等を感じてもらって楽しんで頂ければと思います。 |
値段を抑える取組み現状は店舗代、販売員のお給料などの金額を軽減するためにオンライン販売で切子を販売しています。 また経理システムを自作し、税理士も雇っておらず、自分で決算書を製作して税務署に提出しております。 ざっと
経理システムで言うと今はfreeeという月額のオンライン会計システムが多くの個人事業主や企業で主流ですが、私は使用しません。 手磨きというコストがかかりますが、高品質な伝統的な磨き方で作品を作っております。 それによる大幅なコスト増を軽減出来ているかと思います。 社会勉強含めて今後色々な販売展開をしていくかと思いますが、主軸、ベースキャンプとしてこのホームページで販売することを考えております。 |
最上位の磨きの技術独立してから磨きの材料もより良いものを使用してより光沢が出るように意識しています。 納得のいく品質のより良い物を作ることを念頭に生産しております。 修業時代の当時会長は「うちは磨きを大切にしているからね。日本でもトップクラスの技術だよ」とおっしゃっていたのを思い出しますし、私自身も色んな現場で他の工房の作品をみたりしますが「良い仕事したなぁ」と思うことが多いです。 当時は会長の言っている意味がよくわかりませんでしたが、今になってその意味を深く感じるようになりました。 |
本当に良い物をプレゼントすることで贈られる側だけでなく、贈る側もとても幸せな気持ちになります。 また大量生産品ではなく職人が1個1個作っていることや、本当に良い物をあなたが探してきてくれた背景も含めて贈られる側は喜んでくれるかと思います。 製品一覧 |
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