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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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切子の目利き、本物と偽物の見分け方

切子の目利き、本物と偽物の見分け方

切子工房 箴光職人の気まぐれ日記>切子の目利き、本物と偽物の見分け方

ロックグラス一覧、江戸切子
このページでは、本物の切子と偽物の切子の見分け方、いわゆる目利きの内容を紹介していきます。


せっかく良い値段の切子を買うのだから、自分の中で判断基準をいくつか持って購入に望みたいですよね。

このページを見れば、少し目利きができるようになって購入時に役に立つと思います。

理論的なことから実例まで多分日本一詳しく解説していると思います。


江戸切子と薩摩切子の見分け方なら「江戸切子と薩摩切子の違い」のページを参照した方が理解できるかもしれません。


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切子工房 箴光(しんこう)を代表します独立切子士の斉藤光と申します。

営業担当や外注して記事を書くライターではなく、このホームページ自体を切子職人の私が自分でプログラミングして文章を入力しております。

読み物として文章量があるので、ブックマークに入れて頂けると便利かと思います。

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以下のラインナップで紹介します。
・江戸切子の本物とは?偽物とは?
・カットが雑ではないか?
・酸磨き、酸洗いのもの
・手磨きの切子
基本的には江戸切子準拠での目利き、本物と偽物の見分け方を解説していこうと思います。

本物、偽物と仰々しく書きましたが「色んな違いを知って判断材料にしてほしい」という内容になります。

のちほど画像付きで事例をいくつかご紹介しますので、ご確認頂ければと思います。


江戸切子の本物とは?偽物とは?

江戸切子共同組合が提唱している定義は
1. ガラスである
2. 手作業
3. 主に回転道具を使用する
4. 指定された区域で生産されている
としています。

江戸切子で無い物は江戸切子の表記を使っていないので、それで定義的には本物かどうか大体わかると思います。

江戸切子の表記を使っていない作品の場合は、概ね切子(カットグラス)という表記を用いています。

特定の地域でしか江戸切子を名乗れないので、実際には世の中では切子という名前のカットグラスの方が世の中に多く出ているかと思います。


切子の世界の構造図


〇〇切子というように江戸切子と同じく独自ブランドの1つとして立ち上げているところもとても多くあります。

名称をつけるのは自由ですので、今後も〇〇切子というブランド名はどんどん増えていくかと思います。


独自ブランドは江戸切子以外にも薩摩切子、ぎやまんやその他多く存在しますが、基本的には切子(カットグラスの和名)という大きな区分の中に属しています。
江戸切子と薩摩切子の位置づけ
この図を理解出来ている人は「美しい切子ですね」のように特定のブランド名で呼ぶことなく、「切子」という呼称を用いている方が多いように思います。


江戸切子はブランド品もある


女性物のバッグをイメージすると想像しやすいです。

ブランド物が欲しい人は例えばルイヴィトン等の鞄を買います。

江戸切子や薩摩切子を買うということは1つステータスになるかもしれませんが、対価としてブランド料も支払っています。

薩摩切子は歴史的背景もあり、ブランド展開しています。
ロックグラスで6万円くらいという感じです。

最近では庶民の間で広まったおかげで伝統が続いている江戸切子の方も超高ブランド化しています。
ロックグラスで8万円以上と薩摩切子よりも高いイメージにして販売しようとしている工房がかなり増えています。


ただし、少数の江戸切子の工房の中には江戸切子の歴史的背景を大切にしてブランド料をほとんど上乗せしないでかなり薄利で販売している工房もあります。

同じ江戸切子と言えど、工房ごとに方針の違いがあることを理解しておくと選択肢になるかと思います。


ちなみに私は江戸切子の工房で修業をして独立しましたが、江戸切子の歴史的背景を大切にしている数少ない人間です。

現在は値段を下げるために不利になってもNOブランドの「切子(カットグラス)」として販売することでユーザーにできるだけ還元する形で仕事をしております。

本質は江戸切子と全く同じです。
それどころかデザイン性や値段はかなり優秀でみなさまの選択肢として十分すぎるほどかと思います。

有名な工房を見るとホームページも豪華、職人もとてもすごい人のようにブランド展開しています。

自作でホームページを作成してコストをかけずに泥臭く、庶民の間で広まったという江戸切子の歴史的背景を地で行く当工房も選択肢として把握してもらえると幸いです。

個人的には薄利で真にユーザーに還元している職人が食えない世の中にはなってほしくないという意地の気持ちもあっての値段設定です。
江戸切子全製品一覧
カット難易度の非常に高い伝統的な文様のカットから、何から何まで伝統的な江戸切子と本質は全く同じものです。

カット技術、磨きの技術共に日本トップクラスであることはお約束いたしますので、みなさまの選択肢の1つとしてご検討頂けると幸いです。


目利きで一番重要なこと


目利きで一番重要なのは「美しいと自分が思うかどうか」です。
・誰が作った作品だから良い
・どこの工房だから良い
・〇〇切子だから良い
など本当に良い物かどうかの判断を狂わせる材料になっているのではないでしょうか。

「自分が気に入ったデザインを購入する」
これが私達が今すぐにできる目利きの第一歩です。


もちろん何を選択するかは私達の自由です。

江戸切子というブランド料にお金を払うのも正解ですし、比較的安価でデザイン性豊かな切子を選択するのも正解です。

こういう色んな選択肢があるということを知った上で、みなさんが最良の選択をできることを願っております。

ここまでが定義的な部分での話でした。
次は物理的な見分け方を解説していきます。


カットが雑ではないか?

物理的な見分け方として、偽物の切子に多いのですが、圧倒的にカットが雑です。

細部を見ることで本物の切子かどうかは判断できるでしょう。


雑なカットの実例


これは直営店じゃない場所、正規の店では無い場所で販売されていた切子の実際の写真です。
偽物の切子の見分け方、目利き
白丸で囲んだ部分は修業をちゃんと積んだ職人なら許容を超えすぎていて絶対に認められないので廃棄します。

すなわち、
1.カットの山が片方に寄りすぎる
2.星の形が綺麗ではない
3.星の交点が中心で一致していない
4.横の輪が直線でない
5.矢来のひし形が綺麗に出ていない
という部分です。

このように超えてはいけない限度を超えた偽物の切子が色んな場所で多く世の中に出ているのも事実です。


もう一例です。
偽物の江戸切子
基準となる十字線を書きましたが、線の交点がぶれています。

多分、初めて見た人は言われないとわからないかと思います。


同じ型の江戸切子でも、個性の強い色んな職人肌の江戸切子職人さんが作ったりしますので、各々の職人さんのカットの特長やクセが出たりすることもあります。


人の手で1個1個作られるものなので、そういう違いが出るということを認識しておくのも目利きの部分になるかと思います。



中国の模造品


その他にカットが雑な場合は、中国の切子まで存在します。

私の下にも実際に中国の偽物の切子を作っている会社から連絡がありました。

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「こんにちは、邪魔してごめんなさい。私たちはたくさんのカットグラスを作っています。それらは日本でとてもなじみのあるものです。販売することに興味はありますか?あなたにたくさんの報酬が舞い込むと思いますよ」

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という内容でした。


仕入れて販売するだけの日本の商社にもこういう連絡がいって、中国産の物が日本にもじんわり流入してきているであろうことは想像に難しくありません。


私も実際に近くの商業施設で「〇〇切子」という名前で日本の工房で作ったような日本の名前をつけた中国産のものを見ました。

カットや磨きも見れば品質は良くないので、一目瞭然でわかるかと思います。

中国産の切子は小さく「産地:中国」とシールが張ってある場合も多いので、よく表示を見ておくと良いかと思います。


酸磨き、酸洗いをしていないか

カットしたあとのガラスを磨く方法で、酸磨き、酸洗いも選択肢の1つになるかと思います。

酸磨きという手法


世の中の多くの江戸切子は酸磨き、酸洗いで仕上げています。
個人の切子作家でも酸磨きを用いている人もいます。

クリスタルガラスという素材を使っている場合は、ほぼ例外なく酸磨きをしています。(素材に関しては後述します)

クリスタルガラスという素材の輝きが美しいので、多くの工房や作家が付随するように酸磨きを選択しています。

手磨きの何倍もの効率で仕上がります。
クリスタルガラスは手磨きで磨くのが非効率すぎて採算が取れないので実質不可能なところがあります。

例えば、当工房がソーダガラスで製作すれば1万円くらいで作れるデザインをクリスタルガラスで手磨きでやっている人の作品を見たことがありますが、2万3000円で販売していたので、それくらい値段の差が出ます。

なので、ほぼ酸磨きはクリスタルガラスに必須とも言えるものです。

酸磨き、酸洗いをすると
・ひっかき傷がつきやすい
・カットのエッジが無くなる
・見た目の印象がぼやける
・明暗のグラデーションが出ない
・色が落ちる可能性がある
と輝きの良さ以外の部分でユーザーにとって良くないことが多いと私は感じています。
実際に色が落ちたというクレームが出ているのを見たこともあります。


輝きの美しいクリスタルガラス製の江戸切子を作る際には必須とも言える技術ですが、デメリットもあることも認識しておくと判断材料の1つになるかと思います。




当工房のように手磨きのものは下の画像のように素材の本来の濃い色が残るので、「なんとなく」見分けることもできます。
江戸切子製品一覧
製品一覧



見分けるのは困難!


元々薄い色の素材の物は酸磨きがされていても初心者には全く判断できなくなる場合があり、初心者には見分けるのが難しいと思います。

先ほど「なんとなく」と書いたのがその理由です。

特に「瑠璃は青」や「銅赤は金赤(きんあか)」に見えたりするので一般の方が見分けるは困難です。

一番良いのは、店員さんや製造者に直接聞いてみてください。

磨きは切子製造時の重要な要素であるため、酸磨き、手磨きの意味がわからない方はまずいないかと思います。


あるいは「これはクリスタルガラスですか?」と聞くのもいいかと思います。
クリスタルガラスならほぼ例外なく、酸磨きを行っているからです。


当工房のように「手磨きをしています」と多分手磨きをしている工房なら表記して耐久性の良さを売りにしていると思うので、そういう工房を選択していくのも選択肢の1つかと思います。


元々は別の産業の技術


酸磨き、酸洗いという手法自体は元々は別の産業のもっと工業的な大量生産にしようされていた技術のようです。

強力な酸(硫酸を含む混合液)を使用します。

作業者は健康を害する可能性があることや、酸洗い後の完全に中和がされずに水で洗った時に下水に流れる酸が悪影響の亜硝酸ガス等を発生し、近隣の自然環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。

地球環境を大切にしようという時代の流れには現状沿っていないかと思います。

そういった製品作りの段階から製品を選ぶ時代になってきており、切子業界のみならず、全世界の産業で対応に追われています。


ソーダガラスという選択肢


酸磨きはクリスタルガラスというものにされているかと思います。

私が修行していた工房ではクリスタルガラスも手磨きで仕上げておりましたが、通常のソーダガラスより磨くのに3倍くらい時間がかかり、仕事にならないところがあります。

クリスタルガラスで採算を取るためにほぼ例外なく酸磨きをしているかと思います。


クリスタルガラスは鉛を含むガラスのことです。


鉛の成分が含まれる製品は、触れるだけで徐々に気付かないうちに人体に害を及ぼすものです。


EUではRoHS指令(ローズしれい)というルールが制定され、特定有害物質の使用制限の中に触れるだけで徐々に害になる鉛が含まれています。

また、近年国連サミットで可決された「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」の地球環境を守ろうとする取り組みからも外れたものです。


もしかしたら、私のように30代以上の世代よりも今の10代、20代の方がよっぽどSDGsや地球環境のことをよく考えてこういう情報に敏感になっているかと思います。

今ではSDGsのことが英語の教科書で紹介される時代です。
社会の授業ではなく、英語の教育のついでに一般常識並みの扱いで若い人たちは学んでいます。


また 知人の依頼でのみ、口元がチップした時に口元を輪切りにしてチップ部分を取り除くということをしていました。

左がソーダガラス、右がクリスタルガラスです。
クリスタルガラス、割れやすい
いつもはソーダガラスでチップ部分を取り除いていたので、左のように口元部分をすっぽり輪切りで取り除いていました。

初めてクリスタルガラスでチップ部分を取り除こうとしたら、ソーダガラスでは考えられないくらいの激しい割れ方で、急に「バリーン」と音を立てて割れました。

同じことをしていたのに、クリスタルガラスだけ割れ、しかも勢いよく崩れ去りました。

調べてみると、クリスタルガラスはかなり割れやすいという話がネット上でも散見されました。
硬度が高くても粘性(ねんせい)がソーダガラスより弱く、割れやすいという結論に至りました。

粘性とは物質の粘り強さのことです。
例えば、ダイヤモンドは最も硬度のある堅い石ですが、ひっかき傷に強いだけで、粘度はそこまで高くないので、ハンマーで叩くと簡単にダイヤモンドは割れます。


上の輪切り以外にソーダガラスの耐久性が強いなぁと思った出来事は、友達が家に遊びに来た時に1mの高さから当工房のタンブラー型の切子を友達が誤って落としてしまいました。

私が9年間愛用している切子タンブラーで確実に割れると思いましたが、堅い床でしたが、割れませんでした。びっくりしました。
※落としても割れないことを保証しているものではありません。


一般的なガラス製品に使用されるソーダガラスというものは
・安価
・比較的熱に強い
・比較的割れにくい
・人体に無害
・地球環境に優しい
と言ったメリットがあると思っています。


時代の流れや変化を柔軟に汲み取り、「ソーダガラスを使っております」と意図的に表記する工房も増えているように思います。


ただ、確かにクリスタルガラスの方が輝きの方が良いのは事実かと思います。
ソーダガラスには無い奥深さのある輝きを感じることができると思います。


これもまた何を選択するかは私たちの自由ですが、1人1人がこういうことを知っておくと、購入の基準になるのではないでしょうか。


後世の子供達にできるだけ良い地球環境のバトンを渡してあげたいと私は感じておりますし、ソーダガラスだからこそのメリットも存在しますので、当工房ではソーダガラスを選択しております。


手磨きの切子

手磨きだからこそできる切子の色の濃さにも今一度注目してみて下さい。

この色の濃さとカット部分のクリアな部分の濃淡が手磨きの切子の魅力です。
ロックグラス一覧
手磨きによる伝統的な手法はロストテクノロジーになりつつある技術です。

研磨剤を用いてカット面を1か所ずつ丁寧に磨いていく伝統的な手法です。


伝統的な製法ですが、今では日本では手磨きの工房は少数派になってしまっています。

技術を教える人も限られているので、まず中国の物では行われていないかと思います。

また江戸切子の工房で修業の経験を経ていない切子作家の方も手磨きの技術を知らないかと思います。


これで終了です!

ここまででなかなか世の中に出てこない内容をお伝えしてきました。


私にとっても「当工房の製品は全体の中の選択肢のたったの1つ」というスタンスで書いているため、果たしてこの記事を書くことが自分にとってプラスかマイナスかわかりません。

ただ、これを読んでいるみなさんが最善の選択ができることが社会の公益につながることだと思っております。

自分にとってはマイナスかもわかりませんが、「善である」ことは間違いないかと思います。


みなさまの選択肢の1つとしてご検討頂けると幸いです。
江戸切子全製品一覧
製品一覧



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