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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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日本伝統工芸展に出品した話

日本伝統工芸展に出品した話

切子工房 箴光職人の気まぐれ日記>日本伝統工芸展に出品した話

2022年9月25日

以前に大阪の切子職人の方とお話した際に、「日本伝統工芸展は忖度とか癒着とか無いから出品すると良い」という貴重な情報をお聞きしていたので、今回その通りに出品してみました。

出品した作品は以下のものです。

第69回 日本伝統工芸展出品作品
「宙吹多文様飾皿(ちゅうぶきたもんようかざりざら)」
宙吹多文様飾皿
20cm四方くらいのお皿です。

製作意図としては、
・日本伝統工芸展なので、オリジナリティは抑えて伝統寄りなデザイン
・大枠の構造に少しオリジナリティを入れて主張
・切子の美しさは規則正しいデザインの中に存在していると推測している
・個人的に好きな多文様(8種の文様を採用)による作品
・菊繋ぎ3mmマスなどの日本トップレベルの技術によるカット
・ガラスの美しさの要件でもある、側面からの透け感を通しての文様の魅せ方
あたりが題材になっています。

この作品は6月頃に仕込んで8月に審査があって「落選しました」という通知が来ました。

個人的にこの作品は明確に良いものと確信しているので、落選したところで何の精神的ダメージも受けていません。
見る人が変われば評価される作品だと信じて疑っていません。


翌月の9/15に落選作品の回収と、日本伝統工芸展の開催と、出品者限定の勉強会という3つの用件があり、東京の方に赴きました。


落選作品は千葉県船橋市の倉庫のような場所で回収することになっていました。
私が作品を回収し、エレベーターに乗ると、同じように作品を回収していたご年配の方が立派な大きな陶器の作品を両手で抱えていました。

私には十分すぎるほど見事なものだと思ったので「とても立派な作品ですね」と話しかけると「2作品出品していて1作品は入選したけど、こっちは落選した」とのことでした。
そして外の出口付近で、雑談をしました。


私は諸工芸という部門の出品だったのですが、その方は陶器部門での出品で、過去に10回くらい入選しているすごいお方のようで、部門は違いますが、過去の経験について色々教えてくださって勉強になりました。


30分くらいお話した後にその方とは別れて、三越本店の日本伝統工芸展に行って受賞作品を見学しました。


以前に出品した別の工芸展とは違い、「ああ、この入選している作品は入選している理由がよくわかるな」という感じで腑に落ちて納得しました。

忖度や癒着のかけらも無い、作品の良し悪しのみだけで本当に決めている工芸展なんだと現場で感じ、信頼感がある工芸展だと認識しました。

大阪の切子職人の方とがおっしゃっていたことを肌で感じることが出来ましたので、人生経験として非常に有意義でした。


ガラスは諸工芸部門という部門ですが、その他にも色んな部門の作品が出品されているので、別ジャンルの世界から何か切子に取り込める要素は無いかと思って色んな作品を見ていました。



特に竹籠で入選している作品があり、切子の文様も竹籠の編み方が由来の「六角籠目(ろっかくかごめ)」などの伝統的な文様もあるので、入念に観察して切子に取り込める要素は無いか眺めていました。

すると、隣にいたご年配の男性が「この作品すごいですね」と話しかけてきたので「そうですね。私は切子という分野で出品して落選してしまったんですけど、切子にも竹籠から来ている文様があるので今見ていたんですよね」と言いました。


先ほど落選した現物を回収していて、手元に作品があったので、実際に見てもらったら面白いかなと思ってその場で男性にお見せしました。


すると「名刺があれば頂けますか?」とおっしゃるので名刺をお渡ししました。

1時間くらいお話しながら作品を一緒に見てまわりましたが、そのお方は日本伝統工芸展に来ては現物をよく購入されている方のようで、コレクションの写真をお見せ頂いたりして、言葉で語らずとも、とてもすごいお方のようでした。

三越の得意先であるVIPのような人でしか知りえない情報とかも教えて頂いて非常に興味深いお話を聞かせて頂きました。



最後に出品者の方のみが参加できる勉強会というものに参加してみました。
これは入選者も落選者も参加できるとのことで、人生経験だと思って参加してみました。

勉強会では区民館の大きな会議室を借りて、正面の巨大なスクリーンに今回の出品作品を表示しながら、実際に審査をした審査員の方々があれこれコメントするという感じでした。


会議室に入ると、どうやら落選者の方はほとんど来ておらず、入選者の方々ばかり来ているようでした。
さらに、何回も入選しているからか、お互いに知り合いのような感じで皆様お話されており、疎外感がありました。


みなさん一番前らへんの席の方には座っていらっしゃらなかったので、わかんないけど座っちゃえと思って前の方に座って正面の方と少しお話すると、どうやら正面のお方はすごい方のようです。


勉強会が進むうちにわかりましたが、私と同じ切子加工をされる方で今回入選していて、さらにNHK会長賞という最も名誉ある賞を受賞していた方で、諸工芸部の会長だそうです。


入選した作品から審査員の方による解説があって後半は時間が無くて、落選作品は足早にパパっと進んでいき「落選作品の中で何かお聞きしたい方はいらっしゃいますか?」と最後にあったので、30~40人くらいの前で手をあげて「私の作品は具体的にどこが良くなかったのか教えて頂けると嬉しいです」と発言しました。


これはもう作品をボロクソ叩かれて大勢の前で嘲笑、笑いものにされるだろうなと覚悟しておりましたが、まあそこそこ笑いものだったと思います笑

私自身はメンタル強めなので全然後遺症はありませんが、人によってはきつい精神ダメージを受けるかもしれませんね。


私にとって全てのダメ出しが貴重なご意見なので本当にありがたいなと思って全てメモに書き残しました。
年間を通してほとんど1人で製作しており、主観的に作品を作るしかできないので、とにかくご意見は貴重です。

今の時代「いいね!と思ったことしか言わない。マイナスのことをわざわざ口にして場の雰囲気を壊す必要がない」というような風潮があると思うので、きつい言葉を言われたことは新鮮味があり、心地良ささえ感じました。


現場で色々言われてわかったことは「今回の作品がこの工芸展にマッチしていなかった」というのが原因でした。
自分で考えたことのほぼ全てが裏目に出ており、そりゃ落選するよねという状態でした。

しかし、作品の傾向がマッチしていなかっただけで「カット技術自体は受賞作品となんら変わりない」という言葉を頂いたり「磨きはしっかり出来ている」などの言葉もありましたので、ベクトルを変えて再挑戦していこうと思っています。



今回訪問した3か所で初対面の方々と色々お話出来たので、非常に貴重な人生経験だったと思います。
日々の仕事に追われてなかなか新しい経験をする機会も減ってしまっていたので、今後も忙しいながらも何かにトライしていくということを忘れないように活動出来ればと思っています。



それでは!

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