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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。
切子工房 箴光
磨きの技術
polish technology
伝統の技「手磨き」の技術
切子工房 箴光
>伝統の技「手磨き」の技術
今やほとんどの工房がやっていない伝統的な手法の手磨き。
その技術について消費者にとってどのくらい魅力的かを職人の方から直接語っていきたいと思います。
当工房で行っている磨きの技術についてぜひお客様にお伝えしたいと考えています。
目を通して頂けると幸いです。
カットの技術以上に磨きの技術が重要と考えております。
ゆえに個別にこのようにページを作ることにしました。
手磨きと酸磨き
当工房はガラスを全て江戸切子の伝統的な手法である「手磨き」で磨いております。
カットした部分を1か所ずつ丁寧にピンポイントで磨いていく伝統的な作業方法です。
生産性は高くなく、大量に作れる作業方法ではありませんが、ガラスの強度を保ったまま高品質に仕上がるのが特長です。
先人の知恵、伝統的な手法を大切にした物作りの方法です。
工房ごとにこの手磨きの技術により仕上がりが顕著に変わります。
いわば企業秘密の部分にあたるため、ざっくり紹介はしていても詳細を公開している工房はまず無いかと思います。
多分、江戸切子の職人さん達はカットの技術よりも磨きの技術に比重を置いて良い仕事をしているかどうか判断している人も多いのではないでしょうか。
世の中には色んな切子製品がありますが、カット面を見ると「おいおい、これで販売しちゃまずいだろ」的なクオリティの磨きの製品も相当数流通しています。
やっぱりちゃんとしているところの工房は磨きが綺麗なので、店頭で他の工房の作品を見てても良い仕事をする工房なのかどうかはすぐにわかります。
私から見てもカットのデザインが優秀で磨きのクオリティも高くて、「この工房は本当に良い仕事するなぁ、すごい」といつも関心させられる江戸切子の工房もあります。
色んな現場にいって「お、この江戸切子はすごい」と思って制作のところを見ると、大体そこの工房の作品です。
一方で、世の中で多く用いられている方法は「酸磨き」という方法です。
硫酸等の混合液の劇薬にガラスを漬けて表面を溶かすという方法です。
なんとなくわかると思いますが、カット面以外も酸でダメージを与えて溶かすので、ガラスの強度が落ちるほか、色も落ちて薄い色になります。
主にクリスタルガラスという素材に使用されています。
クリスタルガラスも手磨きによって磨くことは可能で、修業時代の工房でも手磨きで磨いておりましたが、ガラスの硬度が高く、磨くのに通常のソーダガラスに比べて3倍くらい時間がかかり、採算は全く取れていませんでした。
なので、一般的には酸で溶かすこの作業方法が世の中では用いられています。
先ほども言ったとおり、酸磨きをした切子は色被せ部分がかなり薄くなり、ガラスの表面がもろくなります。
酸磨きを行っている切子はタワシで擦ると表面に傷がつきやすいのでスポンジ洗って下さいという表記があるはずです。
酸磨きの例ですが、上が赤で下が瑠璃です。
この薄い色を見れば一発で酸磨きかどうかわかるのですが、金赤、青という色が酸磨きをした銅赤と瑠璃の色に酷似しており、一般の方が見分けるのはなかなかに難しいという状況になっています。
一方、当工房の手磨きの切子をご覧ください。
色の濃さが全く別物だと理解できるかと思います。
これが本来のガラスの素材の色を残したまま製作できる手磨きによる切子です。
カット面のクリアと色被せ部分の瑠璃色や赤色の濃淡がハッキリ出ているのが魅力で、日本特有のカットグラスの美しさと言えます。
手磨きの場合、表面のガラスの強度は高く、タワシでゴシゴシ洗っても大丈夫です。
磨き終わった切子を最後洗う際に実際にタワシを使って洗っています。
手磨きの場合は山や谷の形を維持し、エッジが残って手触りが良くなるのも特長です。
江戸切子の世界でも手磨きをしている工房もあれば、酸磨きをしている工房もあります。
「江戸切子は手磨きしかしていません!」みたいなことでは無いので覚えておくと良いと思います。
磨きの手法の選択は切子生産時の重要な要素であるので、お店の人が知らないということはまずないかと思います。
購入時に強度的にクオリティが気になる人は聞いてみるのが一番手っ取り早いかもしれません。
当工房のように手磨きをしている工房は「手磨きをしています」と表記していることも多いかと思います。
また酸磨きは強力な酸(硫酸を用いた混合液)を使用しています。
作業者は健康を害する可能性があることや、酸洗い後の水で洗った時に下水に流れる酸が悪影響の亜硝酸ガス等を発生する可能性があります。
近隣の自然環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。
地球環境を大切にしようという国際的取り決めのSDGsなどの時代の流れを考えると、手磨きの物の方がこれからの時代にあった製品なのかなと私は思います。
有害な鉛を含むクリスタルガラスを使用していないこと、酸磨きをしていないこと、この2つが当工房の製品を選択することで微力でもクリーンな地球を守ることにもつながるかと思います。
1人1人のほんの少しの小さな心遣いで次の世代の子供達にクリーンな地球のバトンを大人たちがつないであげることができるのではないでしょうか。
当工房は私1人で運営しているので、常に最新の情報を取り入れて良いと思ったものは会議等挟まずにすぐに工房の方針に反映できます。
このスピード感が1人で仕事をするという強みで、独自性があります。
SDGsを意識した切子職人は日本で初めてではないでしょうか。
当工房のホームページでは最新の情報や考えをユーザーの利益のために次々に公開しています。
それにより、当工房の経営方針を模倣する方もちらほら知ってますので、そのうち同じようにSDGsを言い出す職人が増えてきて切子業界のスタンダードな表記になると強めに予測しています。
当工房では生産性が悪くても本当に良いものを皆様にお届けしたいと考えております。
手磨きの切子は、
・グラデーションが綺麗に映える
・山や谷のカット面(エッジ)がきれいに出る
・エッジが出ているので手触りが非常に良い
・ひっかき傷がつきにくい
・強度が高い
と、ユーザーにとっては品質が高くて良いことが多いです。
磨き道具は手磨き用の特注の機材を業者に依頼してそろえており、なかなかに大変です。
それでも当工房ではこのスタイルを大事にし、カット技術以上にこの手磨きの技術を第一に考えております。
お手に取って頂いた時の品質の高さは感じてもらえると思います。
製品一覧
磨きのエピソード
江戸切子の工房で修行していた当時、会長が
「うちの製品は磨きを大切にしてるから。磨きのレベルで言ったら日本トップクラスだよ」
とおっしゃっておりました。
江戸切子の工房の内部に居た頃は自分の行っている仕事のクオリティの比較対象を見たことがなかったので意味がよくわかりませんでした。
独立して外に出るようになって色んな工房の切子を見るようになりましたが、会長の言葉が今になって理解出来た気がします。
催事で展示してあった江戸切子を見た時も
「あれ?こういう催事に並ぶ江戸切子でも、これくらいの磨きのクオリティなんだ」
と思わず撮った写真があります。
私の目から見て大体7割くらいしか磨けていないという感じですが、やはり工房ごとに磨きの差があるかと思います。
当工房では当時学んだ江戸切子の伝統的な磨きの技術を忘れることなく、本物の切子を皆様にお届けできるように努力して参ります。
製品一覧
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