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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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製品開発について

製品開発について

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切子の製品開発する際に原価なども考慮して製品開発をするのですが、日商簿記1級の知識と簿記の実務の話も含めた原価計算についても含めて解説、紹介します。



以前にこんなメッセージをもらいました。
黒の江戸切子
黒の製品がほしいというメッセージを頂きました。


黒色は全てが勘に頼って削るので構造が簡単なカットか黒の色を全て取り切る菊繋ぎのようなカットじゃないと安定的に生産できない理由で、現在は主流である瑠璃色と赤色の2色に焦点を絞って生産をしておりましたが、これは今後の課題だと思い、少しずつ黒の試作を作ってみることにしました。



当工房の切子のデザインはなかなか入り組んでいるものが多く、多分黒ではカットが難しいというようなデザインもありますが、ニーズがあるということなので、試作をしていきたいと思っています。



当工房は1人で運営しているので、わりと消費者のニーズに合わせて対応できるところもあるかと思います。

お問い合わせのフォームを利用したり、メールを送って頂いても構いません。

回答はさせて頂きますので要望があれば色々送って頂けると今後の方針になるかと思います。


今後仕事量が増えていき、要望に対応できないこともあるかと思いますが、なにかあればご連絡頂けると幸いです。





新製品を考える際は原価との兼ね合いもあって実現できるかどうか、というところも考えていく必要があります。

原価というと、ガラスの素材だけの値段を聞く人がいます。

早い人は高校生で簿記を学んでこういう発言は一切しなくなります。


もちろんガラスの素材、色被せガラスも2層からなる特殊なガラスですので、ガラスの素材費もそれなりにします。


「原価ってどれくらいですか?」と聞きたがる人はその質問自体が失礼だと気付いていないコミュニケーションが下手な人の傾向がかなり強いです。

「作業時間はどれくらいですか?」ということを聞くのもダイレクトに「あなたの年収はいくらですか?」と聞いてるということに気付いてない人も多いかと思います。
工数を聞くということはそれくらい失礼なことです。



原価とは
・直接材料費
・間接材料費
・直接労務費
・間接労務費
・直接経費
・間接経費
から構成されています。



正式に言うと、
原価とは一定の給付に関わらせて把握された財貨または用益の消費を貨幣価値的に表したもので以下の4つを満たすものをいう。

・経済価値消費性(金額のあるものを消費している)
・給付関連性(製品に関係ある)
・経営目的関連性(定款に届け出た主たる営業に関連しているか)
・正常性(失敗した費用は原価に含まない→一般管理費行き)

というものです。

上の原価の正式な定義は九九を言うように覚えています。

建設業経理士1級を取得する際に「原価とは何か?400文字以内で説明せよ」という記述の問題が出て合格しました。



ガラスの素材の値段は?と聞いてくる自称高学歴の方も過去にいましたが、直接材料費のことしか原価として見ていないので、圧倒的な勉強不足で世の中のことを全く知らないよね、という印象でした。


ラーメン屋でラーメンの原価は?

イタリアンでパスタの原価は?

とか言う人も同様に直接材料費の存在しか原価を認識していません。



当工房の場合にざっくり当てはめると、
・直接材料費→ガラスの素材
・間接材料費→磨き粉、磨き道具、
・直接労務費→カット作業にかかる費用
・間接労務費→段取りにかかる費用
・間接経費→水道光熱費、家賃、ネットショップ販売手数料など
という感じになります。


当工房は費用を抑えている方ですが、他の工房では税理士の値段月1万円とかホームページメンテナンス費用月5万円とかの金額も毎月上乗せされているでしょう。


基本的にかかった費用を払えるように売値の設定をしないと赤字で潰れるということになります。


切子の場合は切削の機械や磨きの機械を1日中運転しているので電気代がかなり高くなります。

切削の機械は馬力があるので、その分電力消費もかなり激しいです。


全てを書くことは今ここでは出来ませんが、そういう「どれだけ費用がかかっているか?」という想像ができるようになると初対面の相手に対して失礼の無い会話ができるようになるかと思います。


毎月かかった費用は月次損益計算をして、毎月どれくらい原価がかかっているのか月末に計算、把握します。

この月次損益計算はただ単純にかかった費用の金額を合算しているわけではありません。

おおむね製品ごとにそれぞれの個別の原価が出るように計算をするので非常に複雑な計算が発生します。


私は事前にエクセルで原価計算システムとして数式を組んでおいたので、必要な情報を入力すると、自動で個別に製品ごとに原価が出るようになります。


その原価を見て1個販売するといくらの利益が出て、毎月かかった原価に対してペイできるのかということも含めて値段設定していかないといけません。


「何割引きにしてよ」とか言う人もいますが、かなりシビアに考えながら値段設定をしているので、すぐに回答はできない上にすでに上記のようなかなりの計算をした上で慎重に値段を設定しているのでほとんど難しいでしょう。



すぐに値引きできる人の場合は値段設定についてかなり適当に考えていると言ってもいいでしょう。

多分そういう人は1個売った時の利益率が高いので1割引きにしたところで痛くも痒くもないという感じでしょう。

八百屋で「これもサービスしちゃう」みたいなよく見そうな光景は野菜の原価がめちゃくちゃ低くて1個売ると利益が凄い出るということがわかる光景です。



切子に関してはカット数が多くなれば当然値段が上がっていきます。

カットしたところは磨きの工程も加算され、それに伴い磨き粉の消費量増加、高級なつや出しの磨き粉の消費量増加になります。

カット数が増えるということは急激に原価が高くなっていくイメージで考えてもらえればと思います。



そこらへんも最初から頭に入れながら製品開発していかないといけないという話です。

現在は手に取りやすいようにシンプルな路線の切子と、カット数多めのきれいさ重視の切子の2パターンを作るようにしています。


かなり経営的なことに踏み込んだ製品開発に関する話でした。



それでは!

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