日本で最も一般的ソーダガラスのソーダは原料の炭酸ナトリウムのことを指しています。 炭酸ナトリウムは別名炭酸ソーダと呼ばれる物質で、こんにゃくの凝固剤にも使用されるものです。 コーラとかに入ってる入ってる炭酸は二酸化炭素で全くの別物です。 ガラスを熱して溶かす時に炭酸ナトリウムを加えるとガラスが液体になるまでの温度が1000度まで下がります。 つまり、ガラスの加工がしやすくなるために炭酸ナトリウムを加えます。 ソーダガラスは日本で広く一般的に広まっているガラス素材です。 |
ソーダガラスの切子上の特長一般的に普及しているガラスなので、素材の値段が比較的安価なので、販売価格にもダイレクトに大きく反映されています。 ※とはいえ、ガラス職人さんが1つ1つ手作りで製作しているので、ソーダガラスでも決して安くはありません。 同じカットだとしてもクリスタルガラスとソーダガラスで大きく値段が違うことでしょう。 あとはクリスタルガラスより比較的耐久性があります。 高校の化学で学びますが、物質の靭性(じんせい)がクリスタルガラスより高く、衝撃に比較的強いです。 またクリスタルガラスは靭性の低さをカバーするようにかなり厚みを出して製造しますので、ガラスの内外の温度差が発生しやすく、熱で割れやすいです。 一方、ソーダガラスは比較的薄く仕上げられるので、比較的熱に強い優位性があります。 |
ガラスは熱に弱いガラスは急激な冷却や急激な加熱に対して弱く、熱々のお茶を入れると割れます。 これはソーダガラス、クリスタルガラスどちらも同じです。 ガラスの外側と内側で温度による膨張の体積差が発生するのが割れる原因です。 先ほども言った通り、クリスタルガラスは厚みがあるので熱に比較的弱いです。 生産者として実際に当工房で作っているソーダガラス製のぐいのみに100℃の熱湯注いでみましたが、割れませんでした。 しかし、環境の条件によっては普通に割れたりすると思うので、そういう例もあったとするに留めておいて、基本はお湯を注ぐことはできないと思って下さい。 |
耐熱ガラスもあるまたホウ酸を加えると100°~400°くらいの温度に耐えられる耐熱ガラスになります。 私の修業時代の江戸切子の工房では、実際に耐熱ガラスを使った江戸切子を生産していました。 素材としての耐久が格段に上がっているようで、カット機材の刃が素材に食いつきづらかったり、磨きの工程も2~3倍くらい磨かないと光沢が出なかったりと、かなり加工がきつかったです。 同じカットのグラスでもソーダガラスに比べて製作に多くの時間がかかっていたのに、値段はそこまで高くなく販売していました。 今思うと薄利過ぎて採算は全く取れてなかったのではないかと感じます。 色んな工房があると思いますが、耐熱ガラスの江戸切子や切子を生産している工房はほとんど存在しないと思います。 |
奥行きのある輝きが特長ソーダガラスの生産技術の向上、磨きの技術の進歩によりソーダガラスでもかなり品質の高いものが作られるようになっています。 当工房のグラスも磨きが日本でトップクラスであるので「ソーダガラス?クリスタルガラスかと思いました」と新規の取引先の方に言われることも多いです。 それでもまだクリスタルガラスの方が輝きが良いということは間違いないかと思います。 体感ですが、奥行きのある輝きをクリスタルガラスに私は感じます。 現在でも美しさを第一優先とし、クリスタルガラス製の江戸切子や切子も多数販売されております。 特にご年配の方は「クリスタルガラスが高級品」という認識になっているのではないでしょうか。 私が飛び込み営業を行った際には「クリスタルガラスじゃないとうちは扱わないよ」とご年配の経営者の方が仰っていたこともありました。 「じゃあ全ての江戸切子や切子をクリスタルガラスで作ればいいんじゃない?」と思うかもしれません。 しかし、ソーダガラスの方でも少し話した通り、クリスタルガラスの良くない面があるため、2つの素材が今でも存在しているという状態です。 |
世界的な鉛を使った製品の使用縮小近年鉛(なまり)は人体や環境に深刻な害を与えるとして使用が制限される方向に進んでいます。 電子機器に関してはRoHS(ローズ)指令というEUを中心に有害な金属を使用しないという取り組みもあり、鉛もそこに含まれています。 また、国連サミットで可決した国際的な方針である、地球環境を守ろうという取り組みを含めたSDGs(エス・ディー・ジーズ)というものにも反しているものです。 世界情勢的にも鉛を使う製品は良くはないといった感じの扱いです。 こういった地球環境のことを考えているかどうかで人が製品を選ぶ時代になってきており、全世界のあらゆるビジネスで対応に追われています。 日本ではまだピンと来ないかもわかりませんが、アメリカでは環境を考えない有名な企業が不買運動にて売上が7割落ちてしまった例も出ています。 |
両素材の比較両素材の比較をするとソーダガラスの方が
クリスタルガラスの優位性は「ソーダガラスより輝きがある」のただ一点かと思います。 ※それが重要かもわかりません。 磨きの技術で輝きの良さはそれなりにカバーできるので、当工房ではソーダガラスを使用しています。 個人的にも高価な物を購入して頂くので、壊れずに長く使える物を提供したいと思っています。 当工房や大手工房でも意図的に「ソーダガラスを使用しております」と表記しているところもいくらか存在します。 どこも磨きに自身がある工房しか表記していないようにも思えます。 |
ソーダガラスが実際に割れにくかった例知人の依頼でのみ、口元がチップした時に口元を輪切りにしてチップ部分を取り除くということをしていました。 左がソーダガラス、右がクリスタルガラスです。 いつもはソーダガラスでチップ部分を取り除いています。 左のように口元部分をすっぽり輪切りで輪っかになるように取り除いていました。 初めてクリスタルガラスでチップ部分を取り除こうとしたら、ソーダガラスでは考えられないくらいの激しい割れ方で、急に「バリーン」と音を立てて割れました。 いつもと同じことをしていたのに、クリスタルガラスだけ割れ、写真のように勢いよくグラスの中央部まで亀裂が入って割れました。 調べてみると、クリスタルガラスはかなり割れやすいという話がネット上でも散見されました。 硬度が高くても靭性(じんせい)がソーダガラスより弱く、割れやすいという結論に至りました。 高校の化学で習いますが、硬度はひっかき傷、靭性は素材の粘り気・衝撃に対する強さです。 例えば、ダイヤモンドは最も硬度の高いひっかき傷に強い石ですが、靭性(じんせい)はそこまで強くなく、ハンマーで叩くと簡単にダイヤモンドは割れます。 |
海外のブランド海外の有名なブランドでクリスタルガラスを主軸にして販売しているブランドもあります。 海外製品を見てもらえればわかりますが、カット面がトロトロにとろけていて、切子のような際立ったカット面を触ったときの心地良さはありません。 これは大量生産で型に押し込めてガラスを作ったか、酸磨きというガラスの表面をトロトロに溶かす方法で磨くとこのような形状になります。 当工房で行っている手磨きという方法ですが、過度に磨きすぎると上記の写真のようにカット面がとろけてしまいます。 修業時代に良かれと思って、磨きを多めに時間をかけた結果表面がとろけてしまい、先輩方に「切子の良いところはカット面の角(エッジ)が立って触り心地がいいところもあるんだからそれは大切にしないとダメだよ」とよく注意されました。 日本の職人が作る物作りの品質の高さと値段の安さをみなさんにも感じて共有してもらいたいなと思います。 それでは! |
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