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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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騒音と防音室

騒音と防音室

切子工房 箴光職人の気まぐれ日記>騒音と防音室

切子製作時に騒音が近所迷惑になるのではないかと防音室を製作しましたが、その他の目的で防音室がほしいと思っている人のために、騒音の概念と防音室の作り方について解説していきます。


生きているとそのうち趣味でも何でも「近所に音で迷惑をかけない部屋がほしい」と思う日がくると思います。

例えば
・家で歌いたい、カラオケ部屋を作りたい
・家で音楽をやりたい
・家にシアタールーム、映画館を自分で作りたい
・家で音の出る作業をしたい

などいつか考えるようになると思います。
またここで紹介することでのおうち時間を楽しむための1つのヒントです。

多分30代以降くらいで持ち家を持ったり、大きな部屋を借りたりとかすると場所があるならこういうことをしたいとか思うのではないでしょうか。


そこで騒音の概念と防音室の作り方について解説したいと思います。


騒音の概念

音には2種類の音があり、振動によって「物体を伝って行く音」と「空気中を伝わっていく音」があります。
また空気中の音は高音の方が音が吸収されやすく、低音の方が音が遠くに飛んで行きやすいです。

近くで雷を聞くとピシャ!と大きな高い音がしますが、遠くの雷はゴロゴロと低い音が聞こえるはずです。
これは高音は音が吸収されて、低音だけ遠くまで聞こえている身近な例です。

また洗濯機を夜に回すと近所迷惑とかもあるように、振動系の音は壁を伝いやすいので振動を抑える措置も必要なので、壁と床で防音措置が少し違います。



騒音の目安も書いておきます。

聴覚機能に異常をきたすくらいうるさい(会話不能)
120デシベル→飛行機のエンジン近く、近くの落雷
110デシベル→近くの自動車のクラクション

きわめてうるさい(ほとんど会話不能)
100デシベル→電車が通る時のガード下、地下鉄の構内
90デシベル→カラオケの部屋、犬の鳴き声

うるさい(声を張ると会話可能)
80デシベル→走行中の電車内、救急車のサイレン、パチンコ店内
70デシベル→高速走行中の車内、セミの鳴き声

普通くらいの音(会話可能)
60デシベル→普通に走行中の車の中、普通の会話、デパート店内
50デシベル→家庭用エアコンの室外機、静かな事務所

静か(普通の声で会話すると目立つ、ささやき声)
40デシベル→閑静な住宅街、図書館

きわめて静か(小さなささやき声程度)
30デシベル→深夜の郊外、鉛筆の執筆音
20デシベル→人の寝息、木の葉の触れ合う音


という目安になっています。
見てわかる通り、大体10デシベルの単位で結構な音の量が変わるので「10デシベル変わるだけでも大分騒音を抑えられるんだなぁ」という目安で覚えておいてもらえれば良いと思います。


それを踏まえて、距離による音の減衰の目安も書いておきます。
2m→6デシベル減衰
4m→12デシベル減衰
8m→18デシベル減衰
16m→24デシベル減衰

さっき言った通り、10デシベルで結構な音が変わるので、4mくらいの距離があればかなり音を減衰できます。
音の出るメインの物を家の中心部に配置するなどして家の外との距離を少しでも離すことでかなりの効果がありますので覚えておいて下さい。
例えば、ピアノを家の中心に近いところに配置するなど。


防音室に使う素材

防音の素材は2種類が販売されていることをご存じでしょうか?
しかも防音するにはその2種類が必ず必要です。
遮音材と吸音材というものがあります。


遮音材
音を遮って部屋の中に閉じ込めるもの。音の大きさを減らす効果は低い。
遮音材だけだと部屋の中で音の大きさが減らず反響してしまいます。
遮音材は重さ(密度)があればあるほど音を遮る効果があります。

実際に私が使用した物
・大建工業(Daiken) 遮音用下地シート
奥行1000cm 本体: 高さ0.12cm 本体: 幅94cm

製品名に遮音シートって書いてあるので、遮音用だとわかります。
ロール状になっているゴムの固まりみたいな感じで届きます。
重さが10キロくらいあって持ち運びになかなか危険なので注意して下さい。
私はロールを地面に寝かせて置く時に地面とロールの間に指を挟んでかなり痛い思いをしました。
防音材
中心部の芯の部分に指を入れて持ち運ぶと少し安全でした。

カッターで切れ目を入れると、裂けるチーズのように切れ目のところからスーッと手で分離できるので、しっかり向こう側まで貫通させてカッターで切る必要はありませんでした。


吸音材
音の大きさを減らすもの。音を遮る効果は低い。
吸音材だけだと音を遮れずに外に漏れてしまいます。


実際に私が使用した物

極厚20mm 64枚組ジョイントマット
防音マット
これは先ほど説明した床に伝わる振動を抑えて吸音するマットです。
小さな子供が家の中を走り回る際に吸音かつ、転んだ時の衝撃吸収という形で家庭でも広く一般的に使われているものです。

厚みは8mm、12mm、16mm、20mmとありましたが、厚いに越したことはないので20mmを選択しました。
8mmの物も買いましたが、少し心もとないような気もしました。
また厚みが増えると値段もかなり上がっていきますので予算と相談して下さい。



タンスのゲン 吸音材 幅50×50センチ 5枚セット 厚み5センチ
吸音材
タンスのゲンという会社の吸音材はしっかり密度があってちゃんとした製品です。
この吸音材に関しては中身スカスカのスポンジみたいな見た目だけ真似てほとんど効果の無いまがいものみたいなのを販売している会社も非常に多いです。

スポンジみたいな素材ですが、触ると結構弾力もあり、密度があってちゃんとした製品というのが素人でもわかるはずです。

表面が凸凹してるのは音を吸収しやすい構造になっているからです。
みなさん音楽スタジオとかでも同じようなものを見たことがあるかもしれません。


部屋全体を防音しますので施工する面は6面でかなりの面積になります。
遮音材と吸音材の量もかなり使用するので値段はそれなりにしてくると思います。

私の場合値段で言うと6畳くらいの部屋で10万円くらいかかったと思います。
ちなみに業者にしっかりしたプロ仕様で防音室を頼むと100万円くらいかかると思うので、クオリティはだいぶ下がると思いますが、自分でお手製でやった方が費用対効果はいいと思います。

実際の防音室の設計

まずは部屋の寸法をコンベックス(アルミ製のメジャー)で図ります。
寸法を取る作業時間は30分以内くらいだと思います。
私が寸法を取った時は実際こんな感じでした。
mm単位で計測します。

防音寸法

防音寸法

防音寸法




遮音シートで部屋内に音を閉じこめて、部屋の中で何回も音が反射するので、その音を吸音材で少しずつ小さくしていくというイメージで部屋を作ります。

私の場合、
床:遮音シート→ジョイントマット
壁:遮音シート→ジョイントマット→吸音材
という形で防音しました。


まずは採寸した寸法に合わせて遮音シートをカッターで切って壁に貼り付けます。
私は両面テープで壁につけましたが、これが大失敗でしたのでみなさんはベニヤ板に遮音シートを打ち付けて壁に立てかけるなどの方法にした方が良いと思います。

こんな感じで壁にはっています。
完全に1mmの狂いもなく貼り付けないといけないというわけではないので、寸法を目安にまあそこまで誤差が出ない程度にして貼っていきました。
防音寸法


こんな感じで壁にざっくり貼りました。
防音室作成


次に本来は床に敷くジョイントマットも設置しましたが、普通は遮音シートの上に吸音材を設置するので、これはあくまで保険という形でつけました。
これも両面テープでやりましたが、大失敗なので同じく何かで打ち付ける方法がいいと思います。
防音室作成


窓側もざっくり遮音シート貼っていきます。
防音室作成


その上からジョイントマットを設置しました。
防音室作成
あとはこの上から吸音材を貼って行けばいいという感じです。



私の場合、両面テープで貼りましたが、ひと晩経って防音室を見てみると、外側のジョイントマットが剥がれていたり、遮音シートのたわみに合わせて少し前に出ており、やり直しを少ししました。

また時間経過で1週間後に剥がれ出したものや、1か月後に剥がれだしたもの、さらに半年くらい経って剥がれだしたものまであるので、両面テープは「最初に貼れた!」と思っても時間経過で崩壊する可能性がかなり高いので、しっかり何かに打ち付けてやった方がいいです。

木の枠組みを自分で作ってそこに打ち付けて立てかけるような使い方が好ましいと思います。

また、今後はがすときに壁に粘着テープがへばりついて、壁紙を全部取り換える可能性もあるので両面テープは本当におすすめしません。

防音効果はかなりあって「これなら大声で歌っても大丈夫そうだ」くらいの防音効果を感じられました。
防音で顕著に変わりました。
状況によって施工内容は人それぞれ違ってくると思いますが、基礎の理論的なことと、1つの参考として役にたったのではないでしょうか。



それでは!

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