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切子工房 箴光は、伝統的な江戸切子の技術を継承した独立切子士が製作する切子の工房です。

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江戸切子職人の修業時代の給料と年収を元社員が解説

江戸切子職人の修業時代の給料と年収を元社員が解説

切子工房 箴光独立切子士の好奇心備忘録>江戸切子職人の修業時代の給料と年収を元社員が解説


江戸切子のプロの世界で修行していた頃の修業時代の給料、収入を教えたいと思います。


伝統工芸である江戸切子職人を目指している人の参考になれば幸いです。


この情報は結構なタブーで基本的には世の中に出ることはない情報ですが、
世の中で進路を悩んで困っている人の力に少しでもなれればと思い、掲載することしました。



執筆した切子職人の自己紹介

公益社団法人日本工芸会所属の独立切子士である斉藤光。彼の言葉で切子(江戸切子)の本物と偽物の見分け方を直接専門家の視点で解説します。

切子工房 箴光(しんこう)を代表します独立切子士の斉藤光(さいとうこう)と申します。


江戸切子の工房で修行してから独立し、「公益社団法人 日本工芸会」という人間国宝の先生が所属する団体に、正会員2名に推薦を受けて所属しております。


営業担当や外注して記事を書くライターではなく、このホームページ自体を切子職人である私自身がプログラミングして文字を入力しております。



参考程度に、今では私はこのような作品を作るに至っています。

切子工房箴光の江戸切子の技術で作られた美しい切子。独立切子士、斉藤光が作っている。

本来なら「伝統の美」「光の魔術」「職人の魂」といった美しい言葉で、美しい世界だけを見せて飾り立てた方が良いのはもちろんわかっています。


しかし私は日商簿記1級を持っている元経理出身のロジカルが先行している正確な数字を追うビジネスマンでもあります。


上の作品もロジックで「美しいとはどういうことか?」を明確に言語化して把握して製作した作品で行き当たりばったりの感覚では作品を作っていません。


綺麗ごと無しで、数字を中心に明確に話していこうと思います。







江戸切子職人の修業時代のリアルな給料・年収(アルバイト・正社員)



アルバイト時代

出勤日数:月25日(週6日土曜勤務、隔週土曜休み)
勤務時間:拘束時間9時間、労働時間8時間、昼休憩1時間
賃金:時給1,000円(月給200,000円、年収240万円
時間外割増賃金(残業代):無し
有給休暇:無し
賞与:年2回業績連動
交通費:有(上限有り)
住宅手当:無し


当時の金額なので、最低賃金などの影響で今は上がっている可能性があります。



交通費は出ましたが、住宅手当はありませんでしたので、私は1時間40分の道のりを通っていました。


他の人も割と遠くに住んでいる人が多く、同世代の営業部の同僚だけ会社の近くに住んでいました。




最初の3か月はアルバイトで、3か月目が終わるころに「あともう1年アルバイトでやってくれない?」と言われて拒否権はありませんので、もう1年アルバイトをしました。



その後、入社という形になったので、次に正社員時代の待遇を書いていきます。







正社員時代

出勤日数:月25日(週6日土曜勤務、隔週土曜休み)
勤務時間:拘束時間9時間、労働時間8時間、昼休憩1時間
月給:230,000円(年収276万円
時間外割増賃金(残業代):無し
有給休暇:無し
育児休暇:無し
昇給:無し
賞与:年2回業績連動
交通費:有(上限有り)
住宅手当:無し
退職金:
社会保険加入:厚生年金、健康保険、雇用保険



太字で書きましたが、月給230,000円や社会保険に入っていること、賞与が出ること、退職金が出ることあたりは江戸切子業界では多分異例中の異例の好待遇でしょう。


当時の工房の会長も「待遇面は一般の会社と同じようにしたいんだ」とおっしゃってました。



月給の230,000円は相当に高いはずです。

これは今でも、とても高いお給料を頂いていたと感謝しています。



履歴書に前職の給料を書く欄があったので、東証一部上場会社時代の給料を書きましたが、それを最大限考慮して頂いて高い金額を設定してくれたのだと思います。


なぜなら別の工房の募集要項とかでは同じような勤務形態で180,000円のところが多かったからです。

また退職金も出ましたが、働いた期間が長くはなかったので、あまり期待しない方がいいくらいのものでした。

もし月給が18万円の場合は、年収216万円となります。





また、20年以上長く続けた先に、どのような給料の変化があるかはわかりませんが、勤続10年~20年くらいは年収300万円以下くらいに収まるのではないかと思います。


例えば、高卒で20年働くと38歳なので、そこから給料がアップする現象は起きるのかもしれません。



予測ですが、40歳以降くらいは人並みの給料が出ると思いますので、年収350万円くらいには上がるのかもしれません。






今現在独立した私も月給23万円がいかに好待遇だったかを感じているため、前にいた工房も大分頑張って待遇を良くしてくれていたのではないかと今では思います。


独立したからすごい年収上がりましたとかそんなことは決してなく、むしろうまくいかなければ年収0~100万円くらいに下がっても全然おかしくないです。


当然、生活できなくなってアルバイトをする生活になってもおかしくなく、アルバイトすることもごく一般的な選択肢です。




ちなみに私は来月の給料がどれくらいになるかもわからない綱渡り的な日々を長い時間過ごしてますので、安定したお給料に守られて心健やかに来月の給料の何の心配もしないで生きていけることを「幸せなこと」だと痛感しております。



なので、安定して月23万円を頂いていたというのは、本当にありがたいことだったと身に染みてわかります。




それでも月23万円×12か月=年収276万円なので、賞与込みで考えると一般の大学生の新入社員の年収よりは安いです。

昇給もありません。


参考程度に、私が新卒で20歳で一般企業の東証一部上場会社に経理で就職した時が初年度が年収300万円ぴったりくらいでした。


また29歳の会社を辞めるときには色んな出張の手当てとかもついてましたが年収800万円ありましたので、それを捨てて私は江戸切子の工房に修行に入って年収276万円となりました。



振り返ると、もうちょっとお金を貯めてから辞めていたら、独立時にもう少し精神的な余裕があったかもしれないと少しの後悔もあります。



どの選択をしてもメリットがあったと思うので結論としては、「自分が選んだ今の状態が一番正解の道だった」というように感じています。






他の工房よりも明らかな好待遇の求人にも注意

実際に明らかな好条件の求人票が出ている場合があります。


好待遇とは裏腹に、労働環境の悪さや強い上からの圧力など、厳しい現実に直面するケースが少なくありません。


見た目の給料面での待遇が良ければ、それなりのしっぺ返しはあると思って望んだ方が良いです。


「これだけ他の工房よりも待遇良くしてるんだから、これくらいやって当然だよな?」

あるいは

「あの待遇の良さは今の君では全然ダメだよ。あと10年は今の給与水準でやってもらわないと全然ダメ。なに給料の金額上げようとしてんだよ」

という上からの強い圧力に変換される可能性が高いということだけは理解しておいてください。


好待遇は、後からあなたを精神的に殴りつけるための「大義名分(凶器)」へと変換されます。


一度そのサイクルに嵌(は)まってしまうと、恩義や恐怖心から、こちらから「NO」の意思表示をすることが極めて難しくなります。



募集要項の数字や言葉をそのまま鵜呑みにせず、この記事で紹介したような「給与水準が長期にわたって続く可能性」を前提に考えておかないと、後々取り返しがつかなくなるリスクがある点は強く留意しておいてください。



まず最初に「素晴らしい夢(条件)を見せる」ことがやりがい搾取の典型的なアプローチです。



色々な求人を比較した際、多くの工房が横並びの条件になっているのは、それが業界における「妥当なライン」として収まっているからです。






江戸切子職人の給料・手取り額を日本の中央値と比較



多分、江戸切子の工房に就職できた方は、おおむね月18万円の年収216万円で昇給無しで10年~20年は働くことになると思います。




国税庁の統計によりますと、全ての非正規雇用の平均年収は200~210万円となっており、非正規雇用の「ごく平均的な金額」と言えます。


日本の労働者の36.5%の4割(2128万人)の年収がこの216万円というボリュームゾーンになっています。


前に見た映像では、パートやアルバイトを除く専業の非正規雇用の方は890万人で、年収216万円の労働者を「アンダークラス」と呼ぶ貧困層として社会問題の特番が組まれていました。



税金を引かれた手取りで月に14万円~15万円が口座に振り込まれるという感じです。



正社員として働いても、実質的には非正規雇用の「アンダークラス」と同じ貧困層としてあなたは生きていくことになります。



もしあなたが、未来の自分を占いたかったらyoutubeで「アンダークラス」で検索して、生活の実体を見てみると良いと思います。



アンダークラスの状態で長く働き続けると、より強固にアンダークラスに固定される生き方になっていくという指摘がされています。



アンダークラスの未婚率は、男性約74.5%、女性約68.4%だそうです。





ちなみに日本人の平均年収は478万円、本当の実体により近い数値が出る中央値では362万円となっております。


先ほど40歳以降で年収350万円で人並みにもらえるようになるといったのは、この日本人の中央値くらいにかなり収まるような気がします。





伝統工芸の統計のところでも話しましたが、工芸品の世界は1983年をピークにして、現在5分の1まで規模が縮小している斜陽産業です。



無い袖は振れないので、最初の給料の基準が年収216万円になっているわけです。


そこからゆくゆくは年収500万円になった、なんてことはまずありえないと思いますので、やはり年収350万円くらいを見込んだ方がいいのかもしれません。



1個1万円の高価なグラスを原価無視の単純計算で500個売ることで年収500万円になります。


あなた以外にも働いている人が居て、営業担当などの切子を作らない人の給料もあなたが切子を作ってまかなわないといけません。



そう考えると、年収500万円は多分無理そうなのは肌間でわかるのではないでしょうか?







人生にかかるお金から切子職人を考察



一般的な切子職人の給料は「1人なら生きて行けるね」という感じで、金銭的にパートナーの収入の支えがあれば、結婚や、家庭を持つことができるかもしれません。


中古の家を買うのに2000万円
子供1人育てるのに3000万円
老後のお金が2000万円

などの人生の費用を考えると、なんとなく江戸切子職人1人での給料では難しそうなのは肌間でわかると思います。



家と老後のお金については寿命が尽きるまで働き続けるという前提であれば、両方とも自転車操業で貯金をしなくてもゼロにできますので、子供を1人育てる3000万円を貯金する必要があります。



また、子供も作る気はないという人は共働きで結婚できると思います。




結婚してパートナーの収入ありきで、家計の支えとして切子の仕事をするなら十分に続けていける未来がありそうです。


実際に、パートナーの収入で自宅兼工房を建てて、子供を作り、大型の機械や設備を発注して独立している人もいます。


周囲からは一見、自分の腕一本で華やかに自立したように見えるかもしれませんが、その実態はパートナーの経済的バックアップがあって初めて成立しているビジネスモデルです。


もはや作品が売れようが売れまいが完全な安全圏で創作活動をすることになるので、これを一般的な独立開業と同列に語るべきかは議論が分かれるところで、良しとするかどうかはあなた次第です。


このパートナーにほぼすべてを支えてもらうモデルを踏襲して、あなたも切子職人を続けることもできる選択肢があることは覚えておくと良いかもしれません。




また、人生を生きていくという話からは外れるかもしれませんが、老後の年金という完全な安全圏をもって、老後に創作活動をする人もいます。


その方も売れようが売れまいが生活に関係ないので、価格破壊の値段で販売しており、若手の切子職人を潰すような動きを自分の名前を隠してやっていますので、伝統工芸の未来を損なう健全ではない動きと言えます。


ちなみに高額な作品は箔が付くので、自分の実績として名前を出してその方は販売しています。


もしかしたら、あなたが独立する際に、こういう人によって、可能性を奪われて摘み取られて廃業してしまうかもしれないということを知っておいてください。





話を戻しますが、江戸切子職人あるいは切子職人として、収入が1馬力で考えるなら、年収216万円ではなかなかに結婚は厳しいです。





独立して私は切子の仕事だけで生活できるようになりましたが、大阪の切子工房の職人の方と流派の垣根を越えて対談する貴重な機会がありましたが、切子の仕事だけで食べていってる人はほんの一部の人だけとおっしゃってました。



どこかの工房に所属して仕事をするのが固定給に守られて仕事ができるので一番安全だと思いますが、基本的には1人で生きていくという覚悟をもって工房に就職する必要が出てくるかと思います。



それを踏まえた上で江戸切子の業界で働くかどうかよく考えてみて下さい。




「人生はお金が全てではない」という言葉もよく耳にすると思いますが、私は独立して一時期、年間収入0円、1年で貯金を740万円失って貯金ゼロになって、闇深い深淵を覗き込んできたので、わかることがあります。



それは「人生はお金が全てではない」ということを言う人は、すでにお金がたくさんあってお金に困っていない人だと言うことです。



有り余るお金は人生に必要ないかもしれませんが、足りてないと自分で感じるようなら、その心の声に従った方が良いと私は思います。



実際貯金を東証一部上場会社の時に740万円貯めていたおかげで、今独立出来て、首の皮1枚つないだ結果、私はそこから持ち直して飛躍しましたので、キャッシュが多くあることはあなたの未来の可能性の大きさそのものだと私は思います。


740万円貯めていなければ、私は独立出来ておらず、この記事をあなたはここで読むこともありませんでした。




江戸切子業界だけでなく、全ての伝統工芸の世界に通じる待遇に近いものがあるのかもしれません。


1つの待遇の基準として、なにかの伝統工芸品で生きていく場合に、なんとなく覚えておくといいのかもしれません。


一般の会社で普通の仕事をしながら趣味で江戸切子教室に通うなどの道もあります。


斜陽産業の茨の道にあえて飛び込む必要はなく、私のように地獄の深淵を覗き込んで、暗黒の森を傷だらけで出口も見えずに歩くことはありません。


この記事を読んで「そこまでの覚悟は無いかもな」と思って別の道で生きることを決めたあなたは、その意思決定をした瞬間に未来が変わって、生涯に残るお金が何千万円とアップして、今まさに人生が救われた可能性があります。


私のように年収800万円を捨てて、年収276万円になっても良いという狂気じみた覚悟がある人が進むべき道だと思います。


無限の可能性の未来ある若者のみなさんが、選択ミスをして不幸にならないことを願います。


切子職人になるには?綺麗事なしの修行・独立の現実を職人が解説


4年間の江戸切子教室の体験談・習い事|プロを目指す話


江戸切子の工房を辞めた時の心境


も参考になると思います。





それでは!





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